📊 市民デジタル白書 第1号(2026年8月)
陸前高田市の公式ホームページを実際に計測し、公開されている当初予算書からデジタルと電話の費用を拾いました。市民の一人として、自費の実測と公開資料だけでまとめた第1号です。
高田町に住んでいる石田祐太です。個人でホームページ制作や、パソコン・スマートフォンの相談の仕事をしています。
この白書は、市民の一人として、自費で計測した数字と、市が公開している資料だけをまとめた情報提供です。何かを売るためのものではありません。数字の測り方は、お問い合わせいただければすべてお示しします。
同じ内容を、陸前高田市議会の議員の皆さまへもお届けしています。特定の誰かへのお願いではなく、全員へ同じものを出しています。
- 1この記事で分かること
- 2市公式ホームページを実際に計測しました(2026年8月9日)
- 3公開予算書から見える「デジタルと電話」のいま
- 4高齢の方とスマートフォンの現状
- 5議論の材料になりそうな問い(私見)
- 6調べても分からなかった数字(この白書の空欄)
- 7結び
- 8まとめ
上から順に並んでいます。気になる段から読んで大丈夫です。
この記事で分かること
- 市公式ホームページを実測して見えた、通信量とスマートフォン表示の状態
- 公開予算書から拾った、AIオンデマンド交通と電話予約に関わる費用
- 公開資料では分からなかった数字と、今後の議論に残る問い
1. 市公式ホームページを実際に計測しました(2026年8月9日)
計測対象は市公式サイトのトップページ。自分のパソコンとスマートフォンで実際に読み込み、ブラウザの標準計測機能で測りました。
良かった点
サーバーの応答は0.11〜0.12秒。通信の土台はしっかりした速いサイトです(HTTP/2対応)。
気になった点
| 実測した数字 | 市民に起きていること |
|---|---|
| トップページの初回読み込み約8メガバイト(8,167キロバイト・部品215本・表示完了まで5.5秒) | 電波の弱い場所や、災害時の混み合った回線では開くまで時間がかかります。通信量も1回で約8メガバイトかかります |
| ページ本体(97キロバイト)が圧縮なしで配信 | 配信時に圧縮する設定にするだけで、この部分の通信量はおよそ5分の1にできる見込みです(費用のかかる改修ではなく、設定の話です) |
| スマートフォンで画面が縮小表示される | 高齢の方ほど文字が小さく、拡大操作が必要になります |
なぜこれが大事か
市のホームページは、災害時に一番アクセスが集中する市の窓口です。「軽く・速く・スマホで読みやすく」は、平時の便利さ以上に防災の話だと考えています。
2. 公開予算書から見える「デジタルと電話」のいま
令和7・8年度の当初予算書(市公開)から、AIオンデマンド交通に関わる委託料を拾いました。
| 費目 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|
| AIオンデマンド交通 導入実証 ※1 | 21,340千円 | 25,002千円 |
| デマンド交通 予約センター運営 | 2,880千円 | 3,250千円(+12.8%) |
| 導入実証 電話予約受付業務(新設) | — | 1,622千円 |
※1 令和8年度は「導入実証業務委託料 13,846千円」と「導入実証運行業務委託料 11,156千円」の合計です。令和7年度は「オンデマンドAI導入実証業務委託料」1本の額です。
出典: 陸前高田市 令和8年度当初予算(一般会計)交通確保対策事業費、令和7年度当初予算。
実証の段階で電話の受け皿を厚くするのは当然のことだと思います。ただ、実証が本格運用に変わるとき、電話に頼る方が多いままだと、その体制費は毎年続く固定費になります。今のうちに「自分のスマートフォンで予約できる方」を増やしておけるかどうかで、本格運用の設計の軽さが変わるのではないでしょうか。
3. 高齢の方とスマートフォンの現状
市は「初心者向けスマートフォン教室」(教育委員会 教育総務課・参加費無料)を実施しています。良い取り組みだと思います。
一方で、市民向けのデジタル活用支援(日常の困りごとにその都度応じる形)の委託枠は、決算書・今年度予算書には見当たりませんでした。教室で習ったことは、日常で使って初めて身につきます。「習う場」と「日常で頼れる先」の間に隙間があるように見えます。
- 1教室で習う
- 2日常で使う
- 3困ったときに頼れる先を確認する
4. 議論の材料になりそうな問い(私見)
- AIオンデマンド交通の本格運用までに、スマートフォンで予約できる市民をどれだけ増やせるか。その支援は誰が担うのか。
- 市公式ホームページの通信量・スマートフォン表示は、災害時アクセス集中を想定した仕様になっているか。
- 「習う場(教室)」の先にある「日常で頼れる先」を、市としてどう用意するか。
5. 調べても分からなかった数字(この白書の空欄)

公開資料だけでは、どうしても埋められない数字がありました。市に聞ける立場の方でないと埋まらない空欄です。そのまま置いておきます。
| 分からなかった数字 | なぜ知りたいか | 持っていそうなところ |
|---|---|---|
| AIオンデマンド交通の予約が、電話とアプリでどのくらいの割合か | 電話の体制費を毎年いくら続けるかが、この割合で決まります | 交通担当課 |
| 市公式ホームページの月間アクセス数と、そのうちスマートフォンからの割合 | 8メガバイトの重さが何人に効いているかは、この数がないと言えません | 広報担当課 |
| 災害時のアクセス集中を、何人同時まで想定してホームページを設計しているか | 平時に開けても、集中したときに開けなければ意味がありません | 情報システム担当課 |
| スマート申請システム(令和8年度 3,300千円)の利用件数 | 窓口に来なくて済んだ人が何人いたかが、次の投資の判断材料になります | 情報システム担当課 |
この4つが埋まったら、第2号に「いつ・どこで明らかになったか」と一緒に記録します。
出典
- 陸前高田市 公式ホームページ(計測対象) https://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/
- 陸前高田市 令和8年度当初予算(一般会計) https://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/material/files/group/6/R8_tousyo_.pdf
- 陸前高田市 令和7年 初心者向けスマートフォン教室 https://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/soshiki/kyouikusoumuka/shougaigeizyutugakari/4/1/22/8658.html
結び
この町で暮らす一人として、デジタルの入り口でつまずく方を減らしたいと思って仕事をしています。この白書は今後も、実測と公開資料に基づいて続けていくつもりです。ご質問・データのご照会はいつでもどうぞ。
まとめ
- 市公式ホームページの重さとスマートフォン表示は、防災の観点からも確認する課題です。
- AIオンデマンド交通の本格運用では、電話とスマートフォンの利用状況が判断材料になります。
- 公開資料で埋まらない数字は空欄のまま示し、実測と公開資料に基づいて続けます。