📚 人口の見通しと13の指標――陸前高田市第3期総合戦略
陸前高田市の人口ビジョン及び第3期総合戦略について、人口の将来推計、4つの基本目標、13のKPI、成果を検証する方法を公表資料の記載に沿って並べます。
この連載の陸前高田の一次資料を読む回は、末尾で「各計画の本文、旧版、年度評価を横断して読む作業は終わっていない」と書いた。その宿題の1本目として、いま動き始めたばかりの計画を1つ読む。
陸前高田市は、「人口ビジョン及び第3期陸前高田市総合戦略」を公表している。計画期間は令和8〜12年度(2026〜2030年度)の5年間。本編は71ページ、概要版は9ページある。基本目標は4つ、基本施策は9つ、当面取り組む施策は13ある。
この記事では、市の掲載ページ、本編PDF、概要版PDFをもとに、人口の見通し、4つの基本目標、13のKPI、成果を検証する方法を順に置く。
- 1人口ビジョンが置く二つの2070年
- 24つの基本目標を本文どおりに読む
- 313のKPI――令和7年10月末から令和12年度末へ
- 4成果を検証する方法
- 5この記事の日付
- 6まとめ
上から順に並んでいます。気になる段から読んで大丈夫です。
この記事で分かること
- 人口ビジョンが置く二つの2070年と、市が掲げる人口の目標
- 第3期総合戦略の4つの基本目標と13のKPI
- 現状値と目標値を分け、成果を検証する方法
人口ビジョンが置く二つの2070年
本編によると、国勢調査による2020年の人口は18,262人だった。社人研の基準に準拠した推計では、2050年の人口は9,616人で、2020年の52.7%になる。現状のまま推移した場合、2070年は5,380人と見込まれている。
本編は、第3期総合戦略を推進した場合の推計も示す。その場合の2070年は6,021人で、社人研の基準に準拠した推計との差は641人の増加と記されている。市が掲げる人口の目標は、2070年に6,000人である。
65歳以上の割合は、2020年に40.4%だった。2040年には50%超になると予測されている。2070年については、社人研の基準に準拠した推計の58.5%に対し、第3期総合戦略を推進した場合は53.8%と示されている。
合計特殊出生率は、2023年に1.10だった。市は目標として、2030年に1.40、2040年に1.44を置いている。人口の人数、年齢別の割合、合計特殊出生率は、それぞれ別の欄に記載された値である。
- 現状現状のまま推移した場合 5,380人
- 推進第3期総合戦略を推進した場合 6,021人
- 目標市が掲げる人口 6,000人
4つの基本目標を本文どおりに読む
第3期総合戦略は、次の4つを基本目標としている。
- 地域内外の人材の交流・循環・結び付きを促進し、関係人口の創出や移住定住を推進する
- 多様な働き方と誰もが活躍できるしごとの創出により、人材育成を図るとともに、若者や女性に選ばれる地域をつくる
- 結婚・妊娠・出産・子育てまでの切れ目ない支援や、特色ある教育環境の充実により、誰もが安心して暮らせる地域共生社会を実現する
- 地域コミュニティや日常生活に不可欠なサービスを維持し、持続可能なまちづくりを推進する
基本目標の下には9つの基本施策が置かれ、その中に13の当面取り組む施策がある。KPIは、それぞれの施策に対応する成果指標として示されている。
13のKPI――令和7年10月末から令和12年度末へ
本編の表は、KPIの現状値を令和7年10月末、目標値を令和12年度末としている。基本目標ごとに並べると、次のとおりである。

以下に4枚の絵を挟む。絵に大きく書いてあるのは目標値だけで、現状値は各項目に並べたとおりである。目標値はこれから5年かけて目指す数であり、いま実現している数ではない。
基本目標1
- 関係人口登録者と市民との協働活動数:0回 → 13回
- 友好都市等交流事業の開催数(累計):5回 → 45回
- 観光入込客数:800千人 → 1,500千人
- 移住者及び若者の住宅取得補助件数(累計):11件 → 100件

基本目標2
- ふるさと納税返礼品登録数:1,700品 → 2,000品
- 市内における起業者の創出件数(累計):54件 → 85件
基本目標3
- 産後ケア事業参加率:31% → 71%
- 待機児童数:0人 → 0人
- 資格取得支援件数(累計):2件 → 30件
- 協働によるまちづくりに関する研修会等の開催数(累計):4回 → 17回

基本目標4
- 市内を運行する公共交通の利用者数:16,626人 → 18,000人
- モビタ、レンタサイクル、電動カート及びたかたスマートモビリティの利用者数:2,814人 → 7,000人
- 災害警戒区域に居住する避難行動要支援者のシン・オートコール登録率:39.36% → 65%


現状値と目標値の組は、活動数、開催数、利用者数、登録率など、指標ごとに異なる対象を測っている。待機児童数は0人から0人を維持する形で置かれている。
成果を検証する方法
本編は、各施策の成果を客観的に評価するためにKPIを設定するとしている。成果の検証について書かれているのは、「PDCAサイクルによる内部評価や外部評価者組織による検証」である。
13のKPIは、現状値と目標値を並べた成果指標である。一方、本編には、13の数字だけで戦略全体の成否を判定するとは書かれていない。人口の将来推計、4つの基本目標、各施策のKPI、内部評価と外部評価者組織による検証は、資料の中でそれぞれの役割を持っている。
今回確認したのは、第3期総合戦略の本編と概要版に書かれた計画期間、人口の見通し、基本目標、KPI、検証方法である。旧版の総合戦略や、計画開始後の年度評価との比較はこの記事には含めていない。
この記事の日付
13のKPIには、現状値の時点(令和7年10月末)と、目標値の時点(令和12年度末)が入っている。人口の目標にも年次(2070年)が入っている。どちらも、後から同じ資料に戻れば確かめられる形で書かれている。この記事は、その時点の記載をそのまま写したものとして残す。
同じやり方で市の計画を1件ずつ読んでいる。読んだ計画とこれから読む計画の一覧は陸前高田市の計画を読むにある。
まとめ
- 人口ビジョンは、現状のままの場合と戦略を推進した場合を分けて示している。
- 第3期総合戦略は、4つの基本目標と13のKPIを置いている。
- 成果は、内部評価と外部評価者組織による検証で確かめるとしている。