上下水道耐震化計画を名簿で読む――自分の避難所はどちらの表か。記事の内容を表す作り絵で、実在の場所や人を撮影した写真ではありません
三陸を知る 約8分

🚰 上下水道耐震化計画を名簿で読む――自分の避難所はどちらの表か

陸前高田市上下水道耐震化計画について、水が届くまでの各施設の耐震化率の現状と目標、避難所など重要施設22件・82件の名簿を、計画の記載に沿って並べます。

陸前高田市の計画を読むの3本目。これまでの2本(総合戦略子ども・子育て支援事業計画)は、計画の数字を暮らしの場面の絵にして添えた。今回の計画は絵にしない。本編6ページのほぼ全部が表と施設の名簿でできていて、「誰の・何時の・どの行動」に翻訳できる数字を持たないからである。

そこで、この記事は読み方を変える。計画に書いてある名簿を省略せずにそのまま写す。自分が使う避難所や施設の名前がどの表にあるかで、この計画と自分の家との距離が分かる、という読み方である。

陸前高田市は「陸前高田市上下水道耐震化計画(上下水道)」を公表している。策定は令和7年1月、計画期間は令和7年4月から令和12年3月まで。この記事は市の掲載ページ計画本編のPDFの記載だけを写す。

この記事の道すじ
  1. 1なぜこの計画があるのか
  2. 2水の一本道――どの施設が、どれだけ耐震化されるか
  3. 322の重要施設――済みは2、目標は12
  4. 482の施設――目標は0と書かれている
  5. 5下水道の側
  6. 6目標が現状と同じ行
  7. 7この記事の日付
  8. 8まとめ

上から順に並んでいます。気になる段から読んで大丈夫です。

この記事で分かること

  • 水が届くまでの各施設の耐震化率の現状と目標
  • 下水道処理区域内と区域外で、重要施設の名簿がどう分かれるか
  • 令和11年度末の目標が現状と同じ行に何が書かれているか

なぜこの計画があるのか

計画の冒頭にはこう書かれている。令和6年1月1日に発生した能登半島地震における上下水道施設への甚大な被害を踏まえ、「被災すると極めて大きな影響を及ぼす」(計画の表現のまま)急所施設を最優先に耐震化を実施する。あわせて、対策が必要な避難所などの重要施設に接続する上下水道管路等について、特に規模の大きい避難所等に接続するものから耐震化を実施する。これらの事業は、市民負担の増加(料金等の値上)を最小限に止めつつ、水道事業及び下水道事業の経営状態を考慮しながら実施する――以上が計画の目標の文である。

水の一本道――どの施設が、どれだけ耐震化されるか

蛇口の水は、取水施設(川や地下から水を取る)→導水管(浄水場へ送る)→浄水施設(飲める水にする)→送水管→配水池(高い場所に貯める)→配水管、の一本道を通って届く。計画は、この一本道の施設ごとに「いまの耐震化率」と「令和11年度末までの目標」を表で示している。数字はいずれも施設能力・容量・延長に対する割合で、現状は令和5年度末時点である。

施設いま令和11年度末の目標
取水施設(5箇所)0箇所・0.00%1箇所・76.93%
導水管(2,665m)3.00%100.00%
浄水施設(5箇所)0箇所・0.00%1箇所・76.93%
送水管(17,419m)33.70%47.90%
配水池(19箇所)4箇所・14.87%5箇所・74.59%
ポンプ所(29箇所)1箇所・0.78%2箇所・2.18%

取水と浄水の「1箇所で76.93%」は、市全体の施設能力8,529m³/日のうち6,561m³/日を担う施設を耐震化する、という計算である。箇所の数ではなく、水の量で見て大きい施設から手を付ける表になっている。

22の重要施設――済みは2、目標は12

計画は、下水道処理区域内の「避難所等の重要施設」を22施設と定めている。名簿は次のとおり。

陸前高田市役所、陸前高田市消防署、高田地区コミュニティセンター、今泉地区コミュニティセンター、漁村センター、高田第一中学校、高田小学校、気仙小学校、旧気仙小学校、鳴石が丘会館、和野会館、二日市公民館、市営住宅下和野団地集会所、鳴石公園、県立高田病院、鵜浦医院、保健福祉総合センター、社会福祉法人高寿園、高田デイサービスセンター、市民文化会館、陸前高田斎苑、総合交流センター。

このうち、上下水道管路等の耐震性能が確保済み(令和5年度末時点)とされているのは2施設――今泉地区コミュニティセンターと気仙小学校である。

上下水道耐震化計画を名簿で読む――自分の避難所はどちらの表かの解説に添えた絵。記事の内容を表す作り絵で、実在の場所や人を撮影した写真ではありません

令和11年度末までの目標施設数は12。名簿は次のとおり(確保済みの2施設を含む)。

陸前高田市役所、今泉地区コミュニティセンター、高田小学校、気仙小学校、和野会館、市営住宅下和野団地集会所、県立高田病院、保健福祉総合センター、社会福祉法人高寿園、市民文化会館、陸前高田斎苑、総合交流センター。

22施設のうち12が目標に入り、残る10施設(陸前高田市消防署、高田地区コミュニティセンター、漁村センター、高田第一中学校、旧気仙小学校、鳴石が丘会館、二日市公民館、鳴石公園、鵜浦医院、高田デイサービスセンター)は、この計画期間の目標施設数には入っていない。計画の脚注には、計画期間内に全ての対象施設で対策を実施することが困難な場合には選定方針や実施時期の目安を記載する、という国の様式の説明が付いている。

82の施設――目標は0と書かれている

下水道処理区域の外側についても、計画は「避難所等の重要施設」を82施設定めている。こちらは、水道管路の耐震性能確保済みが0施設、令和11年度末までの目標も0施設と記載されている。この5年間の計画では、処理区域外の82施設に接続する水道管路の耐震化は目標に入っていない、と計画自身が書いている。

処理区域外の重要施設82件の名簿(計画の表の写し)

陸前高田市国民健康保険広田診療所、陸前高田市国民健康保険二又診療所、希望ヶ丘病院、鳥羽医院、松原クリニック、済生会陸前高田診療所、矢作多目的研修センター、下矢作多目的研修センター、横田基幹集落センター、定住促進センター、自然環境活用センター、小友地区コミュニティセンター、広田地区コミュニティセンター、矢作小学校、横田小学校、竹駒小学校、米崎小学校、広田小学校、高田東中学校、県立高田高等学校第二体育館、旧高田東中学校、清水公民館、嶋部公民館、矢作6区公民館、矢作7区公民館、横田第二部落会館、横田第八区会館、仲の沢公民館、滝の里町内会館、上細根町内会館、矢崎公民館、新田町内会、下沢公民館、壺の沢公民館、古谷公民館、双六公民館、福伏公民館、湊地区公民館、小泉公民館、松峰公民館、堂の前中央会館、神田公民館、和野自治会館、和方自治会館、地竹沢自治会館、糠塚沢公民館、脇の沢団地自治会館、松山会館、西の坊会館、矢の浦公民館、岩井沢公民館、上の坊公民館、門前会館、柳沢会館、新田公民館、森崎町内会館、只出自治会館、両替公民館、大陽公民館、堂の前公民館、大久保公民館、黒崎公民館、喜多公民館、六ヶ浦公民館、久保公民館、岩倉公民館、集公民館、大野公民館、田谷地区公民館、市営住宅水上団地集会所、市営住宅大野団地集会所、県立野外活動センター体育館、スポーツドーム、オートキャンプ場モビリア、広田保育園、本丸公園、地域密着型介護老人福祉施設「陸前高田」、介護老人保健施設「松原苑」、小規模多機能ホーム「玉山」、交流センター「やちだて」、グループホーム「箱根山」、障がい者支援施設「ひかみの園」。

いまここ ― 4/8
  1. 1なぜこの計画があるのか
  2. 2水の一本道――どの施設が、どれだけ耐震化されるか
  3. 322の重要施設――済みは2、目標は12
  4. 482の施設――目標は0と書かれている
  5. 5下水道の側
  6. 6目標が現状と同じ行
  7. 7この記事の日付
  8. 8まとめ

下水道の側

上下水道耐震化計画を名簿で読む――自分の避難所はどちらの表かの解説に添えた絵。記事の内容を表す作り絵で、実在の場所や人を撮影した写真ではありません

下水道の急所施設については、下水処理場の沈殿施設・消毒施設の耐震化率がいずれも0.00%で、令和11年度末までに100.00%とする目標が書かれている。処理場直前の最終合流地点までの下水道管路1.30kmと、その途中のポンプ場2箇所は、令和5年度末時点で100.00%確保済みと記載されている。

避難所等の重要施設から最終合流地点までの下水道管路は、対象18.20kmのうち16.80km(92.31%)が確保済みで、令和11年度末の目標も16.80km(92.31%)――つまりこの5年間で延長を増やす目標にはなっていない。途中のポンプ場5箇所は100.00%確保済みである。

目標が現状と同じ行

この計画には、目標の数字が現状と同じ行がいくつかある。避難所等の重要施設に接続する配水管は、処理区域内が67.72%→67.72%、処理区域外が37.95%→37.95%で、いずれも令和11年度末の目標が令和5年度末の現状と同じ数字で書かれている。冒頭の目標の文にあるとおり、この5年間は急所施設(取水から配水池まで)と、特に規模の大きい避難所等に接続する管路を対象にする、という枠の中の計画であり、それ以外の行は現状の数字がそのまま目標欄に置かれている。

この記事の日付

この記事は2026年8月18日に、令和7年1月策定の計画本編(6ページ)と市の掲載ページ(2025年2月25日更新の表記)を読んで書いた。市のページは週1回の見張りが巡回しており、変更を検知するとこの記事の冒頭に断りが自動で表示される。名簿や数字の正は、常に市の掲載ページにある計画本編である。

まとめ

計画は、水が届く一本道の施設ごとに現状と目標を示し、避難所などの重要施設を処理区域内と区域外に分けている。名簿や数字の正は、市の掲載ページにある計画本編である。

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