南三陸町の公開資料1,128件を机に置いたイメージ。カードに 2031年まで預かる と書いてあった
三陸を知る 約45分

📚 2031年まで預かる、と書いてあった――南三陸町の15年を、公開資料だけで読む

宮城県南三陸町の公開資料1,128件を機械で巡回して目録にし、広報の号数、議会の欠番、進み具合の止まった年、2031年と書かれた期限を原表まで戻して確かめた記録。読めたことと同じ重さで、読めなかったことを書いています。

この記録の見取り図

たどった公開資料1,128件(公開資料の目録)

  1. 1同じ町の人数が、台帳ごとに三通りある
  2. 2号数は続き、月だけが五つ空いた
  3. 3進み具合を表す系列は、2021年9月と2022年度で終わる
  4. 4同じ復旧を、箇所で数えるか、漁港で数えるか、面積で数えるか
  5. 5終わった約束を、同じ表から外さない
  6. 62031年まで預かる、と書いてあった
  7. 約束の台帳
  8. 残っていない記録の地図
  9. まだ読めていないもの
  10. まとめ

上から順に並んでいます。気になる章から読んで大丈夫です。

この記事で分かること

  • 同じ町の人数が、台帳ごとに三通りあること
  • 号数は続き、震災直後の月だけが空いていること
  • 進み具合を表す系列の終点と、旧防災対策庁舎を預かる期限

南三陸町の公開資料を、約束の終点から読み直した。工事が終わったかどうかだけではない。計画に書かれた行為が終わったと確認できるか、途中まで公表された数字の続きが読めるか、期限が後の文書で変わったかを追った。

先に断っておく。この記事は年表ではない。「南三陸で、約束されて、まだ終わっていないことは何か」という一つの問いだけを持って、公開文書のあいだを歩いた記録である。だから復興の全体像は書かない。書くのは、どの文書に何が書かれ、その続きがどこで読めなくなるかだけだ。基準日は2026年8月17日。更新されるページはこの日の状態として扱う。

見えたものは三つあった。記録はまとめて失われてはいない。震災直後のだけが空いていて、号数は続いている。次に、復旧の進み具合を町全体の数で表す系列は、2021年9月と2022年度で終わっている。そして三つめ。旧防災対策庁舎は「2031年3月10日まで宮城県が預かる」と2015年の文書に書かれ、その預かりは2024年6月30日に終わった。決めた期日より6年8か月早い。

この記事の作り方――読む人への約束

読めた範囲: 文書1,128点・会議録141回分(707本のPDF)。未読: 復興計画18版のうち1版、サイト全体の在庫目録。基準日: 2026年8月17日。

読んだ量は、このシリーズ9市町村で同じ単位に揃えている。文書◯点=目録に載せてURLで所在を確かめた文書の点数。会議録◯回分=議会会議録として所在を確かめた点数。所在を確かめたことと、本文を読んだことは別に数える。PDFのページ数は機械で数える工程を入れていないので、この記事では書かない。

この町では、目録1,128行のうち1,127行がHTTP 200で応答し、残る1行は404だった(2016年の公共施設等総合管理計画の旧PDF)。母集団として先に登録した7種のうち、5種で分母に到達した——議会会議録707本、復興計画18版、監査・検査61件、広報313号、検証・記録誌3冊。ただし**「全部読みました」とは書かない**。届いていない2種があるからである。予算・決算は、公開されている26件(歳入歳出決算書11年度分・財政状況資料集15年度分)には全部到達したが、対象の16年度すべてに決算書があるわけではない——町サイトの決算書は2014年度からで、2010年度から2013年度と2025年度は公開範囲に無い。サイト在庫目録は未着手で、総ページ数と実添付総数を数えていない。その内訳は「まだ読めていないもの」に件数つきで書いた。

この記事は、断定・突き合わせ・未確認を分ける。原典を開いて照合したことだけを「書かれている」と記す。主語にするのは文書名・役職・数字だけで、個人名は使わない。「無い」と書くときは、探した範囲を必ず同じ文に置く。年は西暦で書き、和暦は原文引用の中だけに残す。約束・目標・見込み・検討表明・通告を分け、同じ重さで数えない。守られた約束も、判定できない約束も、同じ表と同じ出典水準で載せる。


1. 同じ町の人数が、台帳ごとに三通りある

2010年10月の南三陸町の人数は、住民基本台帳で17,706人、国勢調査の速報集計で17,431人、国勢調査の確定集計で17,429人。同じ町の同じ月で、三通りある。

住民基本台帳は6,800人減り、率にして38.17% 線路だった一本道に等間隔で立つ距離標は住民基本台帳の各月末を表し、看板が掛かるのは数えた6時点だけであることを表す SANRIKU HAPPINESS / PUBLIC DATA 住民基本台帳は6,800人減り、率にして38.17% 期間: 2010年〜2026年 | 単位: 人・世帯 | 母数: 住民基本台帳21年分 |基準日: 2026年8月17日 南三陸町の人数を自分で確かめたい人へ 距離標は毎月立つ。看板が立つのは数えた時点だけ。 2010年3月 17,815 5,365 世帯 震災前 〔資料1〕 2011年2月 17,666 5,362 世帯 震災の前月 〔資料1〕 2011年3月 17,063 5,251 世帯 前月末との差 603 〔資料1〕 2011年4月 16,289 5,051 世帯 前月末との差 774 〔資料1〕 2021年3月 12,353 4,484 世帯 10年後 〔資料1〕 2026年6月 11,015 4,354 世帯 確認できた最新 〔資料1〕 同じ町を別の台帳で数えると 275 2010年10月1日の国勢調査 17,431と、同年10月末の住民基本台帳17,706 の差 〔資料2〕 2010年3月末から2026年6月末までの減 6,800 率にして 38.17%。世帯は 1,011減って 18.84% 〔資料1〕 道は毎月続くが、この図が数えたのは看板の立つ6時点だけ。 〔資料1〕 出典: 記事末尾の一次資料一覧 → 三陸ハピネスができること: 公開資料をこの粒度で読み解いてお渡しします ©三陸ハピネス
専用道に立つバス停標識|低い光の差す志津川湾の奥に旧鉄道の橋脚がかすみ、線路だった一本道が画面を水平に横切り、毎年の距離標が等間隔で立っている。看板が掛かるのは数えた年だけで、道そのものには勾配を付けていない。距離標の間隔と看板の有無を読み分ける図

数える台帳が三つある。国勢調査は5年に一度の10月1日現在で、そこに速報集計確定集計(人口等基本集計)の二段がある。住民基本台帳は月末現在で、町が毎月置いている。三つとも公表された数字であって、どれかが誤りという話ではない。だからこの記事は、三つを混ぜずに別々の表で並べる。

まず国勢調査の確定集計だけを並べる。

調査年総人口世帯数前回比
2005年18,645人5,337世帯
2010年17,429人5,295世帯-1,216人
2015年12,370人4,041世帯-5,059人・-29.03%
2020年12,225人4,282世帯-145人・-1.17%
2025年10,845人4,041世帯-1,380人・-11.29%(速報集計)

〔資料24〕〔資料25〕

2025年だけは速報集計で、確定集計はまだ公表されていない。世帯数は2015年の4,041世帯から2020年に4,282世帯へ241世帯増え、2025年にまた4,041世帯へ241世帯戻っている。人が減り続けた10年のあいだに、世帯の数は行って戻った。

同じ国勢調査に二つの数字があるのは、速報集計と確定集計が別に公表されるからである。2010年は速報17,431人・確定17,429人で2人違い、2020年は速報12,230人・確定12,225人で5人違う〔資料3〕〔資料24〕。前回比も、2020年は速報だと-140人・-1.13%、確定だと-145人・-1.17%になる。町が公表している被害の状況ページが震災前の姿として引いている「平成22年国勢調査 17,431人」は、速報集計の側の数字である〔資料2〕。

次に住民基本台帳。南三陸町は人口・世帯数を2006年から2026年までの21年分、各月末現在の数でウェブに置いている。この列だけを取り出すと、次のようになる。

時点総人口世帯数
2010年3月末17,815人5,365世帯
2011年2月末17,666人5,362世帯
2011年3月末17,063人5,251世帯
2011年4月末16,289人5,051世帯
2021年3月末12,353人4,484世帯
2026年6月末11,015人4,354世帯

〔資料1〕

2010年3月末と2026年6月末を比べると、6,800人減って38.17%、世帯は1,011世帯減って18.84%である。人の減り方と世帯の減り方は、率が2倍ちがう。

震災のあった月は、2011年2月末の17,666人が3月末に17,063人になっている。差は603人。翌月末はさらに774人減って16,289人。ただし住民基本台帳は住民登録の増減を記録する台帳であって、死亡・転出・職権消除が同じ列に入る。この603人の内訳が何かは、確認した各年の人口・世帯数ページ21年分には書かれていない。町が別に公表している人的被害は、死者620人(直接死600人・間接死20人)と行方不明者211人で、基準日は2018年2月28日である〔資料2〕。台帳の減り方と人的被害は、数える対象も基準日も違う。

ここで三つの台帳を、いちばん近い時点どうしで突き合わせる。2010年10月1日の国勢調査は確定集計で17,429人、速報集計で17,431人。同じ年の10月末の住民基本台帳は17,706人である。確定集計と住民基本台帳の差は277人、速報集計と住民基本台帳の差は275人同じ町の同じ月に、三通りの人数が公表されている。

理由は数える対象が違うことにある。国勢調査はその場所に住んでいる人を数え、住民基本台帳は住民登録のある人を数える。どちらが正しいという話ではないので、この記事では以後、断りのない人数はすべて住民基本台帳の側とし、国勢調査を使うときは必ずそう書く。

2. 号数は続き、月だけが五つ空いた

広報 第66号(2011年3月)→ 通常号のない5か月 → 第67号(2011年9月)。その間に号数のない災害臨時号が7号。議会だよりは No.21 → No.22が無い → No.23。会議録は第3回臨時会(2011年4月28日)から。

広報みなみさんりくの通常号は、2011年1月の第64号、2月の第65号、3月の第66号と続き、次は9月の第67号である。4月、5月、6月、7月、8月には通常号が並ばない〔資料4〕。

この5か月が広報の唯一の空白かどうかは、機械で全号を数えて確かめた。バックナンバーの年別ページ23枚をすべて巡回すると、創刊号(2005年10月)と第2号から第246号(2026年8月)までが揃っていて、号数の欠番は0である。号数は一度も飛んでいない。飛んだのは月だけだ。創刊号から最新号までの月数は251、号数は246、差の5は通常号の無い5か月と一致する。

同じ5か月には、号数の付かない「広報南三陸災害臨時号」が7号ある。発行日は2011年5月1日、5月16日、6月1日、6月16日、7月1日、7月16日、8月1日〔資料5〕。通常号の空白は、町からの発信そのものの空白ではない。

一つ、確かめきれなかったことがある。第66号が2011年3月の何日に出たのかは、一覧にも号のページにも書かれていない。3月11日の前か後かで、この号の意味は変わる。PDFのファイル名は 20110301.pdf で、同じ年の1月号は 20110101.pdf、9月号は 20110901.pdf と、発行月の1日を表す8桁になっている。ただしファイル名は本文ではないので、発行日そのものは未確認として扱う。第66号のPDFには文字の層が無く、機械では日付を読めなかった。

議会の側にも同じ形の空白がある。議会だよりの公開一覧は No.10 から No.82 までを含み、番号付き72号のうち No.22 だけが番号列に載っていない。2011年8月の位置には、No.22ではなく「災害臨時号」がある〔資料6〕。会議録は、年度別18ページから707本のPDFをすべて取得した。そのうち最も古いものは2011年4月28日の第3回臨時会である〔資料7〕。南三陸町の議会は定例会と臨時会を通し番号で数えているので、第1回と第2回は2011年1月から3月の会議にあたる。確認した2011年の公開一覧では、その2回は掲載されていない。

番号の空きは「作られなかった」ことを示さない。むしろ逆で、そこに何かが在ったことを示す。だから空白地図では、これらを「未作成」ではなく「保存状況不明」に置いた。

3. 進み具合を表す系列は、2021年9月と2022年度で終わる

復興状況24件: 2013年9月 → 2021年9月。復興交付金の事業計画: 第31回・2022年4月1日。年度別進捗: 2022年度分。

町は復旧・復興の進み具合を、いくつかの系列で公表してきた。それぞれの一覧の終点は、系列ごとに違う。

系列件数最初最後に確認できたもの
復興状況24件2013年9月2021年9月
復興交付金 事業計画31件2012年第31回・2022年4月1日
復興交付金 年度別進捗11件2012年度2022年度分

〔資料8〕〔資料9〕〔資料10〕

確認した一覧の全24件・全31件・全11件の範囲では、それぞれ2021年10月以降・第32回以降・2023年度分以降の同じ系列を確認できない。これは各一覧の終点についての記述であって、事業がその日に一斉に終わったという意味ではない。復興交付金の交付そのものは第29回・2021年3月19日が最後と町の資料にある。

町サイトの「新着情報」一覧は、基準日に掲載0件で「現在、新着情報はございません」と表示する〔資料11〕。ただしこれを町サイトの公開記事0件と読んではいけない。別の階層には2011年12月13日のページが今も残っており、開くことができる。新着一覧が空であることと、記録が無いことは別である。

4. 同じ復旧を、箇所で数えるか、漁港で数えるか、面積で数えるか

2031年まで預かる、と書いてあった――南三陸町の15年を、公開資料だけで読むの解説に添えた絵。記事の内容を表す作り絵で、実在の場所や人を撮影した写真ではありません

町管理漁港: 完成107箇所/査定116箇所(約92%)。同じ資料の別表では19漁港・着手率100%。移転元地: 面積で76.6%、区画で68.5%。防潮堤: 18漁港19工区の平均58.9%。

同じ復旧を、箇所・漁港・面積のどれで量るかで数字が変わる 大きさの違う三つの木の枡は復旧を量る三つの単位を表し、同じ一山を移し替えると読みが変わることを表す SANRIKU HAPPINESS / PUBLIC DATA 同じ復旧を、箇所・漁港・面積のどれで量るかで数字が変わる 期間: 2020年〜2021年 | 単位: 箇所・区画・ヘクタール |母数: 町と県の進捗資料 | 基準日: 2026年8月17日 同じ復旧の数字が資料ごとに違う理由を知りたい人へ 山は一つ。枡が三つある。 漁港を数える枡 116 のうち 107で 約92% 箇所で数える 〔資料8〕 19 のうち 19で 100% 漁港で数える 〔資料8〕 同じ資料の別の表。どちらも2021年9月1日時 移転元地を数える枡 33.7 のうち25.8 で 76.6% ヘクタールで数える 〔資料12〕 467 のうち 320で 68.5% 区画で数える 〔資料12〕 同じ調査・同じ2020年5月末時点。差は 8 ポイント 防潮堤を数える枡 18 漁港・19工区の平均58.9% 工区で数える 〔資料13〕 最小 15.2%・最大 83.8% 工区ごとに見る 〔資料13〕 第1種漁港19港のうち施工委託の1港を除いた数 3 どちらかが誤りという話ではない 量る単位が違えば、同じ復旧でも数字が違う 〔資料8〕 枡の大きさは、良し悪しではなく単位を表す。 〔資料8〕 出典: 記事末尾の一次資料一覧 → 三陸ハピネスができること: 公開資料をこの粒度で読み解いてお渡しします ©三陸ハピネス
浜の作業場に並ぶ三つの木の枡|低い斜光の差す浜の作業場に、大きさの違う木の枡が三つ横一列に並び、同じ一山を移し替えると枡ごとに違う目盛りを指している。枡の大小で良し悪しを示さず、どの枡で量ったかを読み分ける図

数字が割れているとき、どちらかを選んだり平均したりはしない。割れていること自体を書く。 この町では、同じ復旧について、量る単位が違うだけで違う数字が出る例が三つあった。

2031年まで預かる、と書いてあった――南三陸町の15年を、公開資料だけで読むの解説に添えた絵。記事の内容を表す作り絵で、実在の場所や人を撮影した写真ではありません

漁港。 2021年9月の復興状況資料には、「着手率:約97%(着手済箇所113箇所/災害復旧査定箇所116箇所)」「完成率:約92%(完成107箇所)」と書かれている。ところが同じ資料の別の表は、町管理漁港について「被災箇所数19漁港/着手済19漁港/着手率100%」と書く〔資料8〕。箇所で数えれば116のうち107、漁港で数えれば19のうち19。どちらも同じ資料の同じ日付(2021年9月1日時点)である。

移転元地。 宮城県の土地利活用状況調査(2020年5月末時点)は、南三陸町について、面積では整備33.7ヘクタールのうち活用済25.8ヘクタール・未活用7.9ヘクタール、活用率76.6%と書く。同じ調査の区画の表では、整備467区画のうち活用済320区画で68.5%、地区別の表では志津川地区462区画のうち活用済318区画で68.8%である〔資料12〕。同じ調査・同じ基準日で、面積と区画で8ポイント違う。

防潮堤。 2020年5月の議会答弁は、「本町が管理する第1種漁港19港のうち、宮城県に施工委託した長清水漁港を除く18漁港、19工区について防潮堤建設工事を進めている」「5月末で藤浜漁港、寺浜漁港の防潮堤が完成、残る16漁港、17工区の工事進捗率は最小で15.2%、最大で83.8%、平均で58.9%」と述べている〔資料13〕。ここでは漁港と工区が同時に単位として使われ、19港・18漁港・19工区の三つの数が1文の中に並ぶ。

関連語4通りで町・県・復興庁の公式資料3件を基準日まで探した範囲では、移転元地の2020年5月より後の町全体の更新値を確認できない。関連語8通りで公式資料6件を探した範囲では、防潮堤の2020年5月より後の町全体の完成数を確認できない。個別の工区が完成した資料は2022年にもあるので、個別の記録が消えたという意味ではない。町全体を同じ単位で更新した数が、その先で見つからないということである。

5. 終わった約束を、同じ表から外さない

災害公営住宅: 計画1,000戸 → 770戸 → 738戸 → 2016年度末に738戸すべて完成。防災集団移転: 863戸 → 841区画 → 827区画 → 20地区・28団地・827区画が竣工。南三陸病院・総合ケアセンター: 2015年12月14日開院。

未完了だけを並べた表は、台帳ではなく告発文になる。だから終わったものも同じ表に、同じ出典の水準で置く。

災害公営住宅は、計画戸数が1,000戸から770戸、738戸と二度変わった。宮城県の進捗資料は、2016年度末(2017年3月末)時点で計画738戸・完成738戸・100.0%と書いている〔資料14〕。町の2021年9月の資料も「8地区738戸」と記す〔資料8〕。ただし全戸完成の日付そのものは、これらの資料には書かれていない。年度末までに終わったことは確認できるが、何月何日かは確認できていない。

防災集団移転は、当初の863戸・28団地という数が、841区画・20地区を経て、最終的に20地区・28団地・827区画の竣工として記録されている〔資料8〕。計画値が動いたことと、最終値が完成したことは、別々に読む。

南三陸病院・総合ケアセンター南三陸は、2021年9月の資料に「平成27年12月14日、医療・保健・福祉が連携する『南三陸病院・総合ケアセンター南三陸』として開院しました」と書かれている〔資料8〕。2015年12月14日である。

さんさん商店街の本設は、最初の案の2016年12月から2017年3月3日へ変わり、変更後の日に開業した。台帳ではこれを〔変更・中止〕とし、開業した事実を状態欄に併記する。期限が動いたことを消さず、終わったことも消さない。

6. 2031年まで預かる、と書いてあった

県の所有と敷地使用の期間: 2031年3月10日まで(2015年9月1日の協定・11月30日の契約)→ 町が保存を表明 2024年3月1日 → 返還 2024年6月30日。決めた期日より6年8か月早い。

預かる期間は2031年3月10日まで、返還は2024年6月30日 白い覆いを掛けた保管物と日付入りの預かり証は県が預かった期間を表し、帯が基準日の先へ続くことは書かれた期日が物差しより長いことを表す SANRIKU HAPPINESS / PUBLIC DATA 預かる期間は2031年3月10日まで、返還は2024年6月30日 期間: 2011年〜2031年 | 単位: 年 | 母数: 協定・契約・県資料・会議録 |基準日: 2026年8月17日 この町の宿題がいつまでの話だったかを知りたい人へ 帯は、物差しの端より先へ続いている。 預かり証 旧防災対策庁舎 預ける側: 南三陸町 預かる側: 宮城県 2015年9月1日(一時保存に関する協定) 2015年11月30日(譲渡及び敷地の使用貸借に関する契約) 2031年3月10日 協定の原文 県が旧庁舎を所有し敷地を使用する期間は平成43年3月10日までとし、県は同日までに旧庁舎及び敷地を町に返還をする 〔資料15〕 2011年 起点 〔資料15〕 2015年 協定・契約 〔資料15〕 2024年 返還 6月30日 〔資料17〕 2026年 基準日・物差しの端 〔資料20〕 2031年 書かれていた期日 〔資料15〕 6 決めた期日より早く終わった 2031年3月10日と2024年6月30日の差は 6年8か月 〔資料17〕 4,390 庁舎保存工事のさび止め・万円 7年目の管理は 56 万円。さび止めは2031年まで持つ計算で施工されたと答弁にある 〔資料18〕 2031年3月10日までと2015年の文書に書かれ、2024年6月30日に返還された。 〔資料15〕 出典: 記事末尾の一次資料一覧 → 三陸ハピネスができること: 公開資料をこの粒度で読み解いてお渡しします ©三陸ハピネス
預かり蔵と二〇三一年の帯|高窓から光の差す蔵の内壁を背に、白い覆いを掛けた保管物の輪郭が中景に置かれ、手前に大きな預かり証と二〇一一年から二〇三一年までの水平の帯がある。帯は基準日の位置に置かれた物差しの端をこえて右へ続いている。物差しの長さと帯の長さを読み分ける図

2015年9月1日、町は宮城県との間で「旧南三陸町防災対策庁舎の一時保存に関する協定」を締結した。同月の行政報告は、この協定を「本町防災対策庁舎の解体を町において一時保留する間、県においてこれを保存管理することに関し基本的な事項について約したもの」と説明し、内容を7点に分けて述べている。その2点目が次の一文である〔資料15〕。

県が旧庁舎を所有し敷地を使用する期間は平成43年3月10日までとし、県は同日までに旧庁舎及び敷地を町に返還をする

平成43年3月10日は2031年3月10日。同年11月30日には譲渡及び敷地の使用貸借に関する契約が締結され、行政報告は「今後は、平成43年3月10日までの間、宮城県がその責任と費用負担において旧庁舎及び敷地の維持管理を行う」と記している〔資料16〕。

ここで一つ、注意して読む必要がある。2031年3月10日は、県が預かる期間の終わりであって、町が保存の是非を判断する期限ではない。 宮城県が2024年に公表した資料は、当時の取り決めを「令和13年3月10日まで県有化し、町は、返還後における保存の是非を検討することとしていた」と書いている〔資料17〕。判断は、返還されてから行うものとして置かれていた。

その順番は、実際には入れ替わった。2024年3月1日の定例記者会見で、町は旧防災対策庁舎を本年4月1日より町有化し、震災遺構として保存すると発表した〔資料18〕。2024年6月4日の議会答弁は「東日本大震災から20年となる令和13年の期限を待たずに、今年7月1日から町有化とした上で、町において維持管理することを決定した」と述べている〔資料19〕。町有化の開始日は、発表の4月1日から答弁の7月1日へ変わっている。そして町のページは「令和6年6月30日(日曜日)をもって宮城県から返還いただき、以後、町において所有・維持管理していくことと決定しました」と書く〔資料20〕。

2031年3月10日と2024年6月30日の差は、6年8か月である。期限を過ぎた話ではない。決めた期日より早く、預かりも判断も終わった。

この建物にかかった費用のうち、議会答弁で確認できた額は二つある。県有化にあたって宮城県が実施した庁舎保存工事(さび止め)が約4,390万円、その後7年目に行った落下危険性のある附属物等の管理が約56万円である。同じ答弁には、そのさび止めについて「発災から20年間ということで、令和13年の20年間の期限までは当該さび止めの対応は続くだろう、補修が必要ないだろうという計算のもとに当時施工された」という説明がある〔資料18〕。塗装は2031年まで持つ計算で塗られ、建物はその7年前に町へ渡った。

判断が終わったあとに、終わりの書かれていない仕事が始まっている。2025年2月27日、町は告示第16号として「南三陸町旧防災対策庁舎照明の取扱要領」を定め、同年3月10日から施行した〔資料21〕。点灯するのは、毎月10日(8月10日を除く)、毎月11日(8月11日を除く)、8月10日から同月16日までの各日、そして町長が必要と認める日。時間は「日の入りの時刻からその翌日の日の出の時刻まで」である。

この要領に終期は書かれていない。だから台帳では〔期限なし・継続中〕とした。保存するかどうかを決める行は閉じ、保存したあとに何を続けるかの行が開いている。


約束の台帳

同じ「する」という文でも、記録の上での重さが違う。この記事では五種別に分ける。

呼び方定義この台帳での扱い
約束主体(役職)・行為・対象・期限または完了条件が書かれた文本表で追跡する
目標数値で置かれた到達点約束と混ぜず種別を明記する
見込み予定・予測として書かれた文実績と同一視しない
検討表明検討・協議を行うと書かれた文実施の約束として数えない
通告議員が提出した質問の題町側の約束として数えない

全行に、次の六状態のどれか一つを付ける。

状態意味
〔履行済〕書かれた内容の完了を一次資料で確認できた
〔期限内進行中〕期限がまだ来ておらず、進捗を示す資料がある
〔期限超過〕期限を過ぎ、確認した範囲で完了記録を対応付けられない
〔期限なし・継続中〕終期が書かれておらず、現行文書に行為が書かれている
〔変更・中止〕後の文書で期限・数量・内容のいずれかが変わった
〔確認不能〕確認した資料では、完了・未完了のどちらにも判定できない
約束42件を、六つの状態に分けて全部数えた 一本の梁から下がる同じ太さの六本の垂下ロープは約束の六つの状態を表し、巻き上げたロープと水中のロープの差を優劣として描かないことを表す SANRIKU HAPPINESS / PUBLIC DATA 約束42件を、六つの状態に分けて全部数え 期間: 2012年〜2026年 | 単位: 件 | 母数: 追跡できた約束42件 |基準日: 2026年8月17日 約束されて終わっていないことを自分で数えたい人へ 六本とも同じ太さ。違うのは札の文字だけ。 42 追跡できた約束 種別は 約束 40・見込み 2。候補文 34 に、後続資料で終点を置けた 8 を足した数 〔資料22〕 履行済 5 台帳 MS-2015-036 〔資料8〕 期限内進行 0 まだ来ていない 該当なし 〔資料22〕 期限超過 1 過ぎている 台帳 MS-2012-026 〔資料8〕 期限なし・継続中 2 なし・続く仕事 台帳 MS-2024-041 〔資料20〕 変更・中止 1 書き換わっ 台帳 MS-2016-038 〔資料23〕 確認不能 33 この視界の 台帳 MS-2012-001 〔資料22〕 期限内進行中と期限超過は、同じ深さに同じ姿で吊るしてある。違いは札の日付だけ。 ロープは進み具合を吊るすが、良し悪しを吊るさない。 〔資料22〕 出典: 記事末尾の一次資料一覧 → 三陸ハピネスができること: 公開資料をこの粒度で読み解いてお渡しします ©三陸ハピネス
カキいかだの垂下ロープ|志津川湾に浮かぶいかだの梁から、同じ太さの六本の垂下ロープが等間隔で下がっている。水中にあるロープと巻き上げたロープで姿は変えているが、太さも色も同じで、違いは札の文字だけに置いてある。どの状態に何件あるかを札で読み分ける図

追跡できた約束42件のうち、履行済5・期限内進行中0・期限超過1・期限なし・継続中2・変更・中止1・確認不能33。 うち種別が「約束」のものは40件、「見込み」が2件である。34件は2012年に審議された震災復興計画実施計画から抜いた候補文の全件、8件は後続資料で期限と終点を同じ行に置けた行である。全行の基準日は2026年8月17日。

〔確認不能〕が33件あるのは、実施しなかったと判定したからではない。 実施計画の1行と、完了を示す後続文書を一件ずつ対応させられていないという意味である。確認した範囲は、計画18版・復興状況24件・復興交付金の進捗11件・議会会議録141会議707本・監査44本・会計検査院17報告。新しい一次資料で実施対象と終点が対応した時点で、その行を書き換える。

ID種別約束の候補文(原文)期限・完了条件状態更新条件出典
MS-2012-001約束「応急仮設住宅を適切に管理するため、共同利用施設等の維持管理を支援する。」2011〜2013年度〔確認不能〕支援実績の一次資料を確認した時実施計画 p.4〔資料22〕
MS-2012-002約束「震災で家屋を失った被災者や亡くなられた遺族等に対し義援金を給付する。」2011〜2012年度〔確認不能〕給付実績の一次資料を確認した時実施計画 p.4〔資料22〕
MS-2012-003約束「震災で家屋を失った被災者や世帯主が負傷した被災者に対し、生活再建を支援するための資金を貸し付ける。」2011〜2020年度〔確認不能〕貸付実績と終期を確認した時実施計画 p.4〔資料22〕
MS-2012-004約束「震災で居住する住宅が全壊、大規模半壊となった世帯に対し、生活の再建を支援するため、被災者生活再建支援法に基づき、生活再生支援金を支給する。」2011〜2014年度〔確認不能〕支給実績の一次資料を確認した時実施計画 p.4〔資料22〕
MS-2012-005約束「震災により亡くなった者の遺族や障害を負った被災者に対し、弔慰金・見舞金を給付する。」2011〜2012年度〔確認不能〕給付実績の一次資料を確認した時実施計画 p.4〔資料22〕
MS-2012-006約束「震災による精神的な動揺や心身の症状をケアするため精神保健相談等を実施する。」2011〜2020年度〔確認不能〕実施回数等を確認した時実施計画 p.4〔資料22〕
MS-2012-007約束「被災者の生活状況を把握し、その支援を行う生活支援員を配置する。」2011〜2012年度〔確認不能〕配置実績の一次資料を確認した時実施計画 p.4〔資料22〕
MS-2012-008約束「被災した高齢者等が応急仮設住宅で安心して生活できるよう、応急仮設住宅内等への生活支援センターの設置・運営を行う。」2011〜2012年度〔確認不能〕設置・運営実績を確認した時実施計画 p.5〔資料22〕
MS-2012-009約束「福祉仮設住宅に専門職種の者を配置し、要介護高齢者等援護を必要とする者の生活支援を24時間体制で実施する。」2011〜2013年度〔確認不能〕配置と運用記録を確認した時実施計画 p.5〔資料22〕
MS-2012-010約束「震災により被害を受けた地区集会施設等の復旧整備事業に要する費用の一部を補助する。」2012〜2015年度〔確認不能〕補助実績の一次資料を確認した時実施計画 p.5〔資料22〕
MS-2012-011約束「高齢者や障害者の住宅の段差解消やスロープ設置等についての相談業務を実施する。」2011〜2020年度〔確認不能〕相談実績の一次資料を確認した時実施計画 p.5〔資料22〕
MS-2012-012約束「住民の移転に伴う新たな交通網、公共交通の運行形態を構築する。」2011〜2013年度〔確認不能〕対応する事業と完了記録を確認した時実施計画 p.5〔資料22〕
MS-2012-013約束「まちづくりや地域課題、祭り等コミュニティ活動の支援を行うことにより、地域活動の活発化を推進する。」2012〜2020年度〔確認不能〕支援実績の一次資料を確認した時実施計画 p.5〔資料22〕
MS-2012-014約束「仮設住宅を夜間巡視することによって防犯、防火、生活安全の確保を図る。」2011〜2012年度〔確認不能〕巡視実績の一次資料を確認した時実施計画 p.5〔資料22〕
MS-2012-015約束「被災した河川施設について、施設復旧を行う。」2011〜2013年度〔確認不能〕対象施設別の完了記録を確認した時実施計画 p.6〔資料22〕
MS-2012-016約束「被災した道路について、施設復旧を行う。」2011〜2013年度〔確認不能〕対象道路別の完了記録を確認した時実施計画 p.6〔資料22〕
MS-2012-017約束「被災したカーブミラー等交通安全施設について、復旧及び設置を行うほか、避難路の手すり等の整備を行う。」2011〜2020年度〔確認不能〕施設別の完了記録を確認した時実施計画 p.6〔資料22〕
MS-2012-018約束「震災で被害を受けた送・配水管及び上水道施設について布設、再構築を行う。」2011〜2018年度〔確認不能〕対象施設別の完了記録を確認した時実施計画 p.6〔資料22〕
MS-2012-019約束「震災で発生した膨大な量の災害廃棄物の処理を迅速かつ適正に実施するため、県と協調して災害廃棄物を処理する。」2011〜2013年度〔確認不能〕処理実績と完了条件の対応が不明完了を明記した一次資料を確認した時実施計画 p.7〔資料22〕
MS-2012-020約束「消防団の再編を行う。」2012〜2016年度〔確認不能〕再編完了の一次資料を確認した時実施計画 p.8〔資料22〕
MS-2012-021約束「残存する受信機を活かした応急復旧を行う。本体システム及び戸別受信機については本復旧を兼ねて整備を行う。」2011〜2015年度〔確認不能〕整備完了の一次資料を確認した時実施計画 p.8〔資料22〕
MS-2012-022約束「指定避難所、避難場所の検討及び再指定を行う。」2011〜2016年度〔確認不能〕再指定一覧を確認した時実施計画 p.8〔資料22〕
MS-2012-023約束「住民の安全確保のため、防犯灯の整備促進を行う。」2011〜2015年度〔確認不能〕整備実績の一次資料を確認した時実施計画 p.8〔資料22〕
MS-2012-024約束「被災失業者の生活安定を図るため、国からの追加交付による『緊急雇用創出事業臨時特例基金』を積み増し、緊急かつ臨時的な雇用機会を創出する。」2011〜2012年度〔確認不能〕雇用実績の一次資料を確認した時実施計画 p.9〔資料22〕
MS-2012-025約束「被災失業者等の雇用促進を図るため、無料職業紹介窓口を設置する。」2011〜2020年度〔確認不能〕設置と運用実績を確認した時実施計画 p.9〔資料22〕
MS-2012-026約束「被災した漁港及び海岸保全施設の早急な復旧整備を行う。」2011〜2015年度〔期限超過〕2021年9月時点で査定116箇所中107箇所完成町全体の完成数を示す新資料を確認した時実施計画 p.10〔資料22〕・進捗 p.13〔資料8〕
MS-2012-027約束「市場機能の復旧方針について検討を行い、仮設市場の設置及び必要な設備について、仲卸業者の宮城県漁協志津川支所と整備を行う。」2011〜2012年度〔確認不能〕仮設市場の完了記録を確認した時実施計画 p.10〔資料22〕
MS-2012-028約束「中小機構の仮設施設整備事業を活用し、被災した民間の造船関連企業に施設を提供することで、造船場機能の早期復旧を行い、漁業者の復旧の後押しをする。」2011〜2012年度〔確認不能〕提供実績の一次資料を確認した時実施計画 p.10〔資料22〕
MS-2012-029約束「被災した水産加工場施設の早急な復旧整備を行う。」2012〜2015年度〔確認不能〕施設別の完了記録を確認した時実施計画 p.10〔資料22〕
MS-2012-030約束「被災した漁場や航路標識の復旧による水産業の基盤整備を行う。」2011〜2014年度〔確認不能〕対象別の完了記録を確認した時実施計画 p.10〔資料22〕
MS-2012-031約束「災害復旧の促進及び経営の維持・回復を図るため、被害調査及び制度資金の紹介を行う。」2011〜2015年度〔確認不能〕実施実績の一次資料を確認した時実施計画 p.10〔資料22〕
MS-2012-032約束「国のさけます生産地震災復旧支援緊急事業等により、ふ化・放流施設の緊急復旧を行う。」2011〜2013年度〔確認不能〕施設の完了記録を確認した時実施計画 p.10〔資料22〕
MS-2012-033約束「被災した農道等について、施設復旧を行う。」2011〜2012年度〔確認不能〕対象農道別の完了記録を確認した時実施計画 p.10〔資料22〕
MS-2012-034約束「被災した農地の除塩と原型復旧を行う。」2011〜2013年度〔確認不能〕農地別または総括の完了記録を確認した時実施計画 p.10〔資料22〕
MS-2015-035約束防災集団移転促進事業の宅地を整備する完了条件827区画〔履行済〕20地区・28団地・827区画の竣工を記録区画数の訂正資料を確認した時進捗〔資料8〕
MS-2015-036約束改定後の災害公営住宅738戸を整備する完了条件738戸〔履行済〕2016年度末に計画738戸・完成738戸・100.0%完成戸数の訂正資料を確認した時県進捗〔資料14〕・進捗〔資料8〕
MS-2013-037見込み南三陸病院・総合ケアセンターを2015年度に開く2015年度〔履行済〕2015年12月14日開院開院日の訂正資料を確認した時進捗〔資料8〕
MS-2016-038見込みさんさん商店街を本設する2016年12月案〔変更・中止〕2017年3月3日へ変更し同日開業日付変更の原文が訂正された時会議録〔資料23〕
MS-2015-039約束「県が旧庁舎を所有し敷地を使用する期間は平成43年3月10日までとし、県は同日までに旧庁舎及び敷地を町に返還をする」2031年3月10日まで〔履行済〕2024年6月30日に返還。決めた期日より6年8か月早い協定・契約の変更全文を確認した時行政報告〔資料15〕・県資料〔資料17〕・町ページ〔資料20〕
MS-2015-040約束町は、返還後における保存の是非を検討する返還後(完了条件)〔履行済〕2024年3月1日に保存と町有化を表明。返還前に判断が行われた判断を改める新規決定を確認した時県資料〔資料17〕・委員会記録〔資料18〕
MS-2024-041約束町が旧防災対策庁舎を所有・維持管理する2024年7月1日開始・終期の記載なし〔期限なし・継続中〕現行の町ページに記載所有・管理を変える新規決定を確認した時町ページ〔資料20〕・会議録〔資料19〕
MS-2025-042約束「毎月10日(8月10日を除く。)の日の入りの時刻からその翌日の日の出の時刻まで」ほかの日に照明を点灯する2025年3月10日施行・終期の記載なし〔期限なし・継続中〕現行の例規に記載要領の改廃を確認した時告示第16号〔資料21〕

2031年まで預かる、と書いてあった――南三陸町の15年を、公開資料だけで読むの解説に添えた絵。記事の内容を表す作り絵で、実在の場所や人を撮影した写真ではありません

この表の全42行は、通し台帳 reports/宣言1_15年読破/yakusoku-daicho.tsv に同じIDで登録してある。9市町村を横に貫く台帳の一部であり、記事はその台帳のビューである。

残っていない記録の地図

読めない記録は9か所。欠け方は六通り 桟橋の縁に並ぶ六つのタコ壺は中身が見えない理由の六通りを表し、壺を割れた姿で描かないことで原本の生死は言えないことを表す SANRIKU HAPPINESS / PUBLIC DATA 読めない記録は9か所。欠け方は六通り 期間: 2011年〜2026年 | 単位: 記録の数 | 母数: 母集団7種の登録目録 |基準日: 2026年8月17日 南三陸町の公開資料を自分で辿ろうとする人へ 壺の中身は、縄の上からは見えない。 未作成 0 該当を確認できていな 作っていないと自治体自身が書いた資料を確認できていない 〔資料7〕 存在するが非公開 1 主要な施策の成果・決算審査意見書 /2010年度〜2025年度 配付への言及はある。独立ファイルを確認できない 〔資料22〕 旧URL消失 1 公共施設等総合管理計画の旧PDF/ 2016年 旧形式8本のうち7本は新形式で取れた。残る1本は新形式でも404 〔資料22〕 保存状況不 2 議会会議録 第1回・第2回 /議会だより No.22 番号が空いている。原本の所在は確認していない 〔資料7〕 探索範囲で未確認 5 広報の通常号ほか /2011年〜2026年 この入口では見つからない。別の入口までは調べていない 〔資料4〕 機械には非公開 0 該当を確認できていな robots.txt が404で、機械向けの明示的な禁止が無い 〔資料7〕 9 読めない記録 探索範囲=町公式サイトほか6経路・目録1,128行 〔資料7〕 ※要確認 この図の「読めない」の意味は一つだけ。「無い」ではなく「この縄からは開けられない」。 壺の中や別の縄までは調べていない。 〔資料7〕 出典: 記事末尾の一次資料一覧 → 三陸ハピネスができること: 公開資料をこの粒度で読み解いてお渡しします ©三陸ハピネス
桟橋の縁に並ぶ六つのタコ壺|朝靄のかかる志津川湾を背に、桟橋の板と巻き上げ機の向こう、縁石に六つのタコ壺が一列に並び、それぞれ違う荷札が付いている。壺の姿は、蓋と封のあるもの、縄が切れているもの、まだ海の中のものと分かれている。中身が見えない理由の違いを荷札で読み分ける図

① 探した範囲

2031年まで預かる、と書いてあった――南三陸町の15年を、公開資料だけで読むの解説に添えた絵。記事の内容を表す作り絵で、実在の場所や人を撮影した写真ではありません

基準日は2026年8月17日。町の議会会議録141会議・707本、議会だより95ファイル、広報313号、計画18版、予算・決算26件、復興状況24件、復興交付金の事業計画31件と進捗11件、監査44本、会計検査院17報告、記録誌3冊を確認した。目録の全1,128行はHTTPで応答を確かめてあり、200が1,127・404が1である。サイト全体は、サイトマップ最上位19分類・80リンクと検索索引の概数までで、総ページ数と実添付総数の巡回は終えていない。

探した経路は6つに限っている。町公式サイトとその配下、町議会の会議録ページ、宮城県公式サイトのうち町に言及する資料、国の機関(復興庁・国土交通省・農林水産省・環境省・総務省・会計検査院・内閣府)、震災アーカイブ、国立国会図書館WARPとInternet Archiveに残る町サイトの過去版。この6経路の外は探していない。

② 無いもの一覧――確認した公開範囲で

「未作成」「存在するが非公開」「旧URL消失」「保存状況不明」「探索範囲で未確認」「機械には非公開(人は読める)」を混ぜない。この町で該当を確認できたのは9件で、内訳は未作成0・存在するが非公開1・旧URL消失1・保存状況不明2・探索範囲で未確認5・機械には非公開0である。 「未作成」が0なのは作られていないものが無いという意味ではなく、作っていないと自治体自身が書いた資料を確認できていないという意味である。「機械には非公開」が0なのは、この町の robots.txt が404で、機械向けの明示的な禁止が置かれていないためである。

文書の種類期間状態探した範囲範囲外の可能性
議会会議録 第1回・第2回2011年1〜4月保存状況不明2011年ページの本会議24本・12会議を確認。掲載は第3回から議会事務局・紙・図書館・WARPは未照合
議会だより No.222011年保存状況不明公開一覧95ファイルを確認。No.21の次は災害臨時号とNo.23紙の号や議会事務局の原本は未確認
広報の通常号2011年4〜8月探索範囲で未確認年別ページ23枚を機械で巡回し、創刊号〜第246号の号数に欠番0を確認。この5か月には通常号が無く、災害臨時号7号がある別形式の紙媒体は未確認
旧CMS形式のPDFリンク2016〜2024年旧URL消失初稿で使った index.cfm 形式8本へ直接到達。8本すべてHTTP 404。うち7本は同じファイル名が新形式 /material/files/group/ で200残る1本(2016年の公共施設等総合管理計画)は新形式でも404。原本の所在は未確認
主要な施策の成果・決算審査意見書2010〜2025年度存在するが非公開決算ページ11件と会議録5件で配付への言及まで確認。独立ファイルを確認できない役場保管・議会配付資料・情報公開制度の経路があり得る
復興実施計画の3候補版2012〜2016年度探索範囲で未確認復興計画ページ4件と総合計画関係46件のPDF名、Web検索4件を確認別表題・旧サイト・紙は未確認
復興状況の同系列2021年10月以降探索範囲で未確認一覧全24件は2021年9月で終わる別名の後続資料は未確認
復興交付金進捗の同系列2023年度以降探索範囲で未確認年度別一覧11件は2022年度分で終わる別の決算資料への移行は未確認
サイト全ページ・全添付の目録期間不明探索範囲で未確認最上位19分類・80リンク、検索索引の概数まで全巡回後に分母が確定する

③ 背景事情――因果ではない参考情報

空白が生じた理由は、確認した資料には書かれていない。同じ時期に確認できる周辺の事実だけを並べる。町サイトでは旧 index.cfm 形式と新しい /soshiki/ /chosei/ 形式のURLが併存し、索引ページはどちらも応答するが、旧形式の配下にあるPDFへの直リンクは基準日に404を返す。robots.txt は404で、機械向けの明示的な禁止は置かれていない。2011年の通常広報が並ばない5か月には災害臨時号7号があり、議会だよりNo.22の位置にも災害臨時号がある。町の東日本大震災記録誌は2024年3月に400ページ・20分割のPDFで公開された。これらは空白の原因を示すものではない。

④ 誰の何が「町の公開資料では」読めないか

  • 2011年の第1回・第2回の議会が何を審議したかは、確認した2011年の会議録24本の範囲では読めない。
  • 広報の通常号が並ばない2011年4月から8月に、災害臨時号以外の紙が何を伝えたかは、確認した広報一覧の範囲では読めない。
  • 広報第66号が3月の何日に出たかは、確認した一覧と号ページの範囲では読めない。
  • 実施計画の34候補のうち33件が、どの完了資料へつながるかは、確認した計画18版・復興状況24件・交付金進捗11件・会議録707本・監査44本・会計検査院17報告の範囲では読めない。
  • 町管理漁港116箇所のうち、2021年9月の107箇所から先の完成数は、確認した復興状況24件の範囲では読めない。
  • 移転元地の2020年5月より後の町全体の活用率と、防潮堤の2020年5月より後の町全体の完成数は、各表に記した探索範囲では読めない。
  • 住民基本台帳が2011年3月に603人減ったことの内訳は、確認した21年分の人口・世帯数ページの範囲では読めない。

⑤ 町の外に残っている記録

国立国会図書館WARPには町サイトの2010年7月6日以降の保存があり、2011年3月にも複数の取得日がある。復興庁には第1回復興交付金の町別配分表と住まいの復興工程表がある。宮城県には2031年3月10日という期限と2024年6月30日の返還日を記した資料、そして土地利活用状況調査の市町別・地区別の表がある。国立公文書館には漁港海岸の設計変更協議の簿冊が残る。研究文献の入口では、検索日2026年8月17日にJ-STAGEが「南三陸」で1,610件、CiNii Researchが934件を表示した。これは町の約束の件数ではなく、町外に残る研究記録の検索件数である。

⑥ まだ取り戻せるか

第1回・第2回の会議録と議会だよりNo.22は、議会事務局・紙の会議録・図書館・WARPを照合する経路が残っている。旧URLのPDFは、7本は新形式のURLで現に取得できたので、残る1本も文書名と年度を指定して所在を問い合わせる経路がある。主要な施策の成果と決算審査意見書は、年度と文書名を指定して所在を問い合わせられる。進捗の後続値は、県・国の工事記録、個別工区資料、後年の決算資料と照合する余地がある。この節は、取得や照会を実行するという約束ではない。使える経路を書いたところまでである。

まだ読めていないもの

  1. 2025年国勢調査の確定集計。 この記事が使った10,845人・4,041世帯は速報集計で、確定集計(人口等基本集計)はまだ公表されていない。公表されたら、この記事の表と図①を差し替える。
  2. 広報第66号の発行日。 一覧にも号ページにも書かれておらず、PDFに文字の層が無い。ファイル名の8桁は根拠として弱い。
  3. 災害公営住宅の全戸完成日。 2016年度末までに738戸すべてが完成したことは県資料で確認できたが、何月何日かはこの照合では決着しなかった。
  4. 復興計画18版のうち1版の本文。 2016年の公共施設等総合管理計画は、旧URLが404で本文へ到達できていない。所在の確認が残っている。
  5. 決算書5年度分と、決算関係2系列。 歳入歳出決算書は町サイトの公開が2014年度からで、2010年度から2013年度と2025年度は公開範囲に無い。「主要な施策の成果」と「決算審査意見書」は、独立した公開ファイルを確認できていない。
  6. サイト在庫の分母2項目。 総ページ数と実添付総数はまだ数え終えておらず、確認済みは最上位19分類・80リンクと検索索引の概数までである。
  7. 実施計画34件のうち33件の完了記録。 個別事業と後続資料の対応が確定していないため、台帳では〔確認不能〕としている。
  8. 旧防災対策庁舎の維持管理費の総額。 議会答弁で確認できたのは、庁舎保存工事の約4,390万円と7年目の管理の約56万円の2件だけで、年ごとの支出実績は読めていない。
  9. 死者620人と警察庁発表566人の差54人の内訳。 行方不明者は両者とも211人で一致しているが、死者の差の内訳は確認した範囲には書かれていない。

出典一覧

2026年8月17日時点で応答を確認した公開URL。「取得済」はURLが応答した意味であり、本文を精読した意味ではない。旧CMS(index.cfm)形式のURLは基準日に404を返すため、同じ文書の新形式URLを代表として記載している。

第1章 人口

第2章 記録の番号

第3章・第4章 進み具合

第5章 終わった約束

第6章 旧防災対策庁舎

約束の台帳・記録の地図

版と訂正履歴・連絡窓口

項目内容
版番号第1版
基準日2026年8月17日
訂正履歴第1版のため、訂正履歴なし
連絡窓口このサイトの問い合わせ窓口で、事実の誤り・新しい一次資料・URLの変更を受け付けます

誤りや新しい資料が届いた場合は、該当する台帳の行と本文を書き換え、この欄に日付と変更内容を記録する。

まとめ

南三陸町の公開資料を、約束の終点から読み直した。記録はまとめて失われているのではなく、系列ごとに続きが読める場所と読めなくなる場所がある。

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