効率化で最初に削られる「投票できなかった人」を、政策評価の中心に置く。

投票アクセス――再編後の地区別監査

陸前高田市議会 一般質問の雛形集 02/14 | 投票アクセス 一陸前高田市民からの提言 / 調査基準日 2026年8月19日 / 石田 祐太(三陸ハピネス

この資料の立場(必ずお読みください) この資料は、市民の一人である石田祐太が、市の公表資料と他自治体の公開資料だけを根拠に、個人として自主的に作成し、公開しているものです。 ・市議会議員のお名前は出していません。 ご本人に依頼も相談もしていないからです。 ・作成にあたり、議員・市議会・市役所からの依頼、監修、承認、推薦は受けていません。文責はすべて石田祐太にあります。 ・掲載順はテーマ順で、評価・順位・期待度を示すものではありません。 ・この資料は、市政や議員活動の全体・実績・能力・賛否・担当分野を評価するものではありません。取り上げていないテーマに取り組まれていないという意味でもありません。 ・特定の候補者への投票、支持、反対、当選または落選を求めるものではありません。 ・それでも、この中の一つでも議会での議論や日々の暮らしの参考になるものがあれば、自由に、断りなく、加工してお使いください。ただし自由にお使いいただけるのは、石田祐太が作成した文章・図表の部分だけです。引用元の資料については、各発行者の定めに従ってください。 ・誤りや権利上の問題にお気づきの際はご連絡ください。確認のうえ訂正または取り下げます。

この本が扱う分野:選挙・投票/投票所と移動/高齢者の足/行政の効率化 特定の議員の発言・経歴・担当分野を示すものではありません。この本の主題を、探しやすいように並べたものです。

  • 件名:投票区再編後の投票アクセス調査について
  • 狙い:効率化で最初に削られる「投票できなかった人」を、政策評価の中心に置く。

背景(事実)

市選挙管理委員会は投票区再編計画を示しています。2023年9月3日執行の市議会議員選挙の投票率は76.25%でした。ただし高齢化率は42.1%(2026年1月1日)で、岩手県全体の35.6%を6.5ポイント上回ります。自家用車を使えない有権者の割合はこの数字に比例して大きくなります。

全体の投票率が下がらなくても、特定の地区・年代だけが落ちる形の減少は、平均値では見えません。再編の影響は、地区別・年代別に分けて初めて判定できます。

出典:投票区再編計画2023年市議選公式結果年齢別住民基本台帳人口(e-Stat)

制度の土台

公職選挙法第17条により投票区は市町村の区域とされ、選挙管理委員会が必要と認めれば複数の投票区を設けられます。期日前投票は第48条の2で、選挙管理委員会は投票所への交通手段の確保その他投票の便宜のため必要な措置を「講ずるものとする」と定めています(共通投票所は第41条の2で別の制度です)。移動期日前投票所に固有の条文はなく、この「交通手段の確保」と設置の裁量で運用されています。 出典:e-Gov法令検索・公職選挙法総務省・移動期日前投票所の取組事例

本質問

投票区再編の検証を全体投票率だけで終えず、次を調べる「投票アクセス調査」を実施すべきではないか。

  1. 地区別・年代別の投票率
  2. 投票所までの距離と、公共交通での到達可否
  3. 移動手段の内訳(自家用車・家族の送迎・徒歩・その他)
  4. 期日前投票の利用率の地区別変化
  5. 投票を断念した人の理由

あわせて、移動投票所・送迎・巡回型期日前投票所を試行する判断基準(どの数値がどこまで下がったら実施するか)を示せないか。

先行実例

島根県浜田市は2016年7月の参議院議員選挙で、軽ワゴン車による移動期日前投票所を全国の市町村で初めて導入しました。同市が有権者10〜30人程度と極端に少ない投票所を統廃合したことへの代替措置として始めたものです。投票率を上げるためではなく、統廃合で失われる投票の機会を維持するために始まったという点が、本質問の立場と同じです。 出典:毎日新聞(2016年7月1日)

島根県知夫村(人口約5千人)は2016年、希望者にタクシーを配車し費用を村が負担しました。2016年の利用者は4人でした。小さく始めた例として、規模の言い訳が立たない事例です。 出典:日本経済新聞(2017年)

移動期日前投票所は2024年の衆議院議員選挙で133自治体まで広がっています。全国の投票所数はピークの2000年53,434か所から2024年45,429か所へ、約15%減りました。 出典:東京新聞読売新聞(2024年)

財源のあたり

地方選挙については、特別交付税に関する省令に「投票所への移動支援等に要する経費」が明記されています。国政選挙は国の執行経費基準法で国庫負担となり、移動期日前投票所の経費も令和4年の国会答弁で対象と整理されています。新規の単独財源を要する話ではありません。 出典:e-Gov法令検索・特別交付税に関する省令

小さく試す案

全市調査でなくてよい。再編で投票所が遠くなった地区を2つ選び、その地区だけを再編後最初の選挙で調べる。投票所の出口と、期日前投票所での短い聞き取りで足ります。令和9年度以降の選挙から始め、令和10年度に結果を公表する形で構いません。

想定される市の答弁(推測)

「期日前投票の周知と既存の交通機関の活用により、投票機会は確保されている。」

再質問

周知では距離は縮まりません。再編後最初の選挙で、断念者の把握と地区別のアクセス評価を行いますか。行わない場合、市は何をもって「投票機会が確保されている」と判断するのか、その根拠となる数値を答えてください。

三つの逃げと切り返し

  • 「国の動向を注視」型(国待ち):総務省は移動期日前投票所の事例を既に公開しており、2024年時点で133自治体が実施しています。待つ対象ではありません。
  • 「財政上困難」型(財政難):移動支援の経費は特別交付税に関する省令へ明記されています。また再編は経費節減を伴うはずで、その節減額の一部を検証へ充てられないという説明は成り立ちません。節減額を併せて答えてください。
  • 「既に実施している」型(既にやっている):既に実施しているのであれば、直近選挙の地区別投票率を公表してください。全体投票率76.25%(2023年9月3日執行)の内訳が出せるかどうかが、実施の有無そのものです。

この本が立っている市全体の数字(人口・財政・これから10年で来る請求書)ははじめににまとめてあります。議場でお使いになる前に、出典先で最新値へ差し替えてください。

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読み終えたあとに

この論点を、自分の市で調べ直したいとき

投票所の再編で誰が投票しにくくなったかは、地区別の投票率を再編の前と後で並べれば出ます。自分の市の数字で並べたいときに。

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