被害が出てからの単年度補助を、データに基づく産業転換と所得の防衛へ移す。

水産――広田湾の高水温5年計画

陸前高田市議会 一般質問の雛形集 06/14 | 水産 一陸前高田市民からの提言 / 調査基準日 2026年8月19日 / 石田 祐太(三陸ハピネス

この資料の立場(必ずお読みください) この資料は、市民の一人である石田祐太が、市の公表資料と他自治体の公開資料だけを根拠に、個人として自主的に作成し、公開しているものです。 ・市議会議員のお名前は出していません。 ご本人に依頼も相談もしていないからです。 ・作成にあたり、議員・市議会・市役所からの依頼、監修、承認、推薦は受けていません。文責はすべて石田祐太にあります。 ・掲載順はテーマ順で、評価・順位・期待度を示すものではありません。 ・この資料は、市政や議員活動の全体・実績・能力・賛否・担当分野を評価するものではありません。取り上げていないテーマに取り組まれていないという意味でもありません。 ・特定の候補者への投票、支持、反対、当選または落選を求めるものではありません。 ・それでも、この中の一つでも議会での議論や日々の暮らしの参考になるものがあれば、自由に、断りなく、加工してお使いください。ただし自由にお使いいただけるのは、石田祐太が作成した文章・図表の部分だけです。引用元の資料については、各発行者の定めに従ってください。 ・誤りや権利上の問題にお気づきの際はご連絡ください。確認のうえ訂正または取り下げます。

この本が扱う分野:水産業/養殖/高水温・気候変動/漁業者の所得 特定の議員の発言・経歴・担当分野を示すものではありません。この本の主題を、探しやすいように並べたものです。

  • 件名:広田湾の高水温適応5年計画の策定について
  • 狙い:被害が出てからの単年度補助を、データに基づく産業転換と所得の防衛へ移す。

背景(事実)

市の水産統計が、既に答えを出しています。イシカゲガイは令和4年度の84,248kg・2億5,586万円から令和7年度は8,130kg・4,879万円へ、数量で約90%減、金額で約2億700万円減りました。同じ期間にホタテは118,295kgから34,098kgへ約71%減、カキ(むき身)は101,471kgから41,355kgへ約59%減っています。地元紙は2023年8月の広田湾で水温28.4度を記録したと報じています。主要3種が同時に落ちています。魚種ごとの因果関係の検証は要りますが、高水温を一時的な異常ではなく継続する産業リスクとして扱う段階に入っています。

市の1人当たり市町村民所得は251.1万円(令和5年度)、有効求人倍率は0.78倍(大船渡職安管内・2026年5月)です。一次産業の所得が落ちれば、代わりの働き口がその場にあるわけではありません。水産の不調は、そのまま人口の社会減(2025年中▲113人)へつながります。

出典:市・水産業の統計東海新報・2023年の高水温岩手県水産技術センター・定置観測データ市町村民所得(岩手県)人口動態調査(e-Stat)

制度の土台

気候変動適応法第4条・第12条は、地方公共団体に区域の状況に応じた適応策の推進と地域気候変動適応計画の策定を努力義務として求めています。水産基本法第5条・第21条・第24条は、区域の特性に応じた施策の策定・実施を地方公共団体の責務としています。5年計画を妨げる制度はなく、根拠は既にあります。 出典:e-Gov法令検索・気候変動適応法e-Gov法令検索・水産基本法

本質問

カキ、ワカメ、アワビ、イシカゲガイ等について、海水温・へい死と成長・種苗・収量・漁業者所得を同じ時間軸で追う5年計画を、市・県・漁協・研究機関で策定すべきではないか。計画には次の担当と期限を明記すべきではないか。

  1. 高水温耐性のある種苗の確保
  2. 養殖の深度・時期の変更試験
  3. 漁業共済・積立ぷらすの加入率引き上げ
  4. 設備更新(沖出し・深場対応)と、加工・販路の転換
  5. 市独自の所得支援の基準

先行実例

岩手県は令和7年11月、「水産業における高水温化への適応方針」を公開しています。令和6年の記録的な高水温を踏まえ、ホタテ・アワビ・養殖不良を明記した県の方針です。上位方針は既に存在し、市の5年計画はその下に置けます。 出典:岩手県・適応方針

広田湾漁協は「浜の活力再生プラン」(令和6〜10年度)で、高水温に強い新たな養殖を対象事業に既に書き込んでいます(組合員496人・養殖業者118人、令和5年時点)。市の計画は、この現場の計画と時間軸を合わせるところから立ち上がります。国も2025年12月に「高水温によるカキへの影響への対応パッケージ」を発表しています。 出典:水産庁・浜の活力再生プラン水産庁・カキ対応パッケージ

財源のあたり

水産業成長産業化沿岸地域創出事業(水産庁)は、認定された地域計画に参画する漁業者への機器・施設のリースを支援し、補助率は原則2分の1以内です。所得の防衛には漁業収入安定対策(積立ぷらす)があり、積立の割合は国3・漁業者1です。市が新たに単独財源を立てる話ではなく、市の役割は計画と数字の整備です。 出典:水産庁・沿岸地域創出事業漁業収入安定対策

小さく試す案

計画の前に、海水温と主要3種の水揚げ量を、同じ1枚のグラフで毎月公表することから始める。県水産技術センターの定置観測データと市の水産統計を重ねるだけで、新規の観測費はかかりません。令和9年度からでも間に合います。

想定される市の答弁(推測)

「県、漁協、試験研究機関と連携し、状況の把握と必要な支援を行ってまいりたい。」

再質問

連携先ではなく、市が自ら責任を持つ項目を聞いています。2027年度予算に載せる調査・種苗・設備・所得支援を一つずつ答え、5年計画の策定主体と公表時期を示してください。

三つの逃げと切り返し

  • 「国の動向を注視」型(国待ち):国は2025年12月にカキの対応パッケージを、県は令和7年11月に適応方針を出しています。県の方針と国のパッケージが出そろった今が、市の計画を立てる好機です。
  • 「財政上困難」型(財政難):まず求めているのはデータの統合であって、補助金の新設ではありません。何にいくら要るかを決めるための資料です。
  • 「既に実施している」型(既にやっている):浜の活力再生プラン(令和6〜10年度)と漁協との連携はあります。しかし海水温・へい死・種苗・収量・所得を同じ時間軸で並べ、耐性種苗・養殖深度・販路転換まで数値目標を置いた5年計画は、市のページに見当たりません。

この本が立っている市全体の数字(人口・財政・これから10年で来る請求書)ははじめににまとめてあります。議場でお使いになる前に、出典先で最新値へ差し替えてください。

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読み終えたあとに

この論点を、自分の市で調べ直したいとき

高水温の話は、水温の記録と水揚げの記録を同じ年表に載せて初めて計画になります。その年表づくりを承ります。

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