既にある評価シートを作り直すのではなく、管理者から見た「適正」に、利用者と現場から見た4つの列を足す。

指定管理施設――評価シートに「利用者の側の4列」を足す

陸前高田市議会 一般質問の雛形集 05/14 | 指定管理施設 一陸前高田市民からの提言 / 調査基準日 2026年8月19日 / 石田 祐太(三陸ハピネス

この資料の立場(必ずお読みください) この資料は、市民の一人である石田祐太が、市の公表資料と他自治体の公開資料だけを根拠に、個人として自主的に作成し、公開しているものです。 ・市議会議員のお名前は出していません。 ご本人に依頼も相談もしていないからです。 ・作成にあたり、議員・市議会・市役所からの依頼、監修、承認、推薦は受けていません。文責はすべて石田祐太にあります。 ・掲載順はテーマ順で、評価・順位・期待度を示すものではありません。 ・この資料は、市政や議員活動の全体・実績・能力・賛否・担当分野を評価するものではありません。取り上げていないテーマに取り組まれていないという意味でもありません。 ・特定の候補者への投票、支持、反対、当選または落選を求めるものではありません。 ・それでも、この中の一つでも議会での議論や日々の暮らしの参考になるものがあれば、自由に、断りなく、加工してお使いください。ただし自由にお使いいただけるのは、石田祐太が作成した文章・図表の部分だけです。引用元の資料については、各発行者の定めに従ってください。 ・誤りや権利上の問題にお気づきの際はご連絡ください。確認のうえ訂正または取り下げます。

この本が扱う分野:指定管理施設/公共施設の評価/利用者の声/施設の統廃合 特定の議員の発言・経歴・担当分野を示すものではありません。この本の主題を、探しやすいように並べたものです。

  • 件名:指定管理施設の評価における利用者側の指標の追加について
  • 狙い:既にある評価シートを作り直すのではなく、管理者から見た「適正」に、利用者と現場から見た4つの列を足す。

背景(事実)

市は既に、指定管理14施設について令和6年度の「指定管理施設管理運営状況評価シート」を共通様式で公表しています。保守管理、人員配置、労働条件、収支を「適正/要改善」の形で見ており、全施設を同じ様式で並べて公開している点は、同規模の自治体のなかでは進んでいる部類です。人口約3万人の熊本県人吉市、約4万人の兵庫県丹波篠山市と並ぶ水準にあります。本質問は、この仕組みを否定するものではありません。

一方、市の公共建築物は157施設・471棟(2022年3月末)、更新需要は建物だけで年13.8億円、大規模改修の集中期は2035〜2042年度です。この集中期に入る前に「どの施設を残すか」を判断するには、「適正に管理されているか」に加えて「誰にどれだけ使われているか」が要ります。現在のシートには、利用者満足度、合理的配慮の実施状況、職員の離職、指定管理料に対する利用実績の4つが列として現れていません。

出典:市・指定管理者制度のページ令和6年度評価シート(PDF)公共施設等総合管理計画

制度の土台

地方自治法第244条の2は、指定管理者に毎年度の事業報告書の提出を義務づけ(第7項)、指定は議会の議決事項としています(第6項)。管理を委ねても、施設の責任は市に残る建て付けです。また障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律により、合理的配慮は行政機関等には第7条第2項で義務、事業者にも第8条第2項で令和6年4月1日から義務化されました。指定管理者はこの「事業者」に当たります。 出典:e-Gov法令検索・地方自治法e-Gov法令検索・障害者差別解消法

本質問

現在の評価シートに、次の4つの列を追加すべきではないか。

  1. 利用者満足度(全施設共通の設問による)
  2. 合理的配慮の実施状況(令和6年4月の義務化以降の対応)
  3. 職員の離職状況(個社が特定されない集計単位で)
  4. 指定管理料に対する利用実績(1利用あたりの公費額)

これらを次回の更新・公募の選定資料として用いる考えはあるか。

先行実例

熊本県人吉市(人口約3万人)は、全指定管理施設に共通の「指定管理者モニタリング・チェック・シート」で5段階評価を行い、平成22年度から令和6年度まで結果を公開し続けています。兵庫県丹波篠山市(人口約4万人)は54施設について、専門用語をできるだけ使わないモニタリングレポートを毎年度公表しています(令和5年度分を公開)。いずれも本市と同様に「共通様式」まで到達したうえで、利用者側の指標へ踏み込んだ例です。 出典:人吉市丹波篠山市

なお労働条件の確認については、東京都足立区が平成27年度から選定時に社会保険労務士による審査を導入し、千葉県流山市もガイドラインに基づく審査結果を令和6年度まで公開しています。 出典:足立区流山市

財源のあたり

専用の国庫補助はありません。既存事業の組み替えで足ります。追加するのは新規の委託ではなく、既に毎年度作成・公表している評価シートへの4列の追加であり、設問は共通様式に1枚を足す形で済みます。

小さく試す案

令和6年度に評価した14施設すべてで一度に始めなくてよい。利用者数の多い上位3施設から、令和8年度分の評価シートで4列を試行し、令和9年度から全施設へ広げる。

想定される市の答弁(推測)

「協定書、事業報告書およびモニタリングにより適正に管理しており、評価結果も公表している。」

再質問

公表していることは承知しています。そのうえで伺います。現在のシートで「適正」とされた施設と「適正」とされた別の施設を、利用者一人あたりの公費額で比べることはできますか。できないのであれば、2035年からの大規模改修の集中期に、市はどちらの施設を先に残すと判断するのですか。

三つの逃げと切り返し

  • 「国の動向を注視」型(国待ち):評価様式は市が決めています。合理的配慮は令和6年4月に事業者へも義務化済みで、待つべき制度改正はありません。
  • 「財政上困難」型(財政難):新規の委託ではなく、既存シートへの4列の追加です。年13.8億円(2022年3月末基準の試算)規模の更新需要を前に、判断材料を持たない方が高くつきます。
  • 「既に実施している」型(既にやっている):実施しているからこそ、次の一段を伺っています。評価シートに利用者満足度と1利用あたりの公費額の欄があるかどうか、その一点だけお答えください。

この本が立っている市全体の数字(人口・財政・これから10年で来る請求書)ははじめににまとめてあります。議場でお使いになる前に、出典先で最新値へ差し替えてください。

← 一般質問の雛形集(全14本)へ戻る

読み終えたあとに

この論点を、自分の市で調べ直したいとき

評価シートに足す4列は、指定管理者が毎年出している報告書を読み込めばそのまま作れます。自分の市のシートで試したいときに。

LINEで相談する

押すとLINEが開き、どのページから来たかが入った下書きが出ます。送っただけで費用はかかりません。料金は、何をどこまでやるかを聞いてから決める要相談です。

調べ方と受け方は仕事のページにまとめてあります

LINEで相談する 相談は無料です