一般質問を一日限りの応酬から、市民が結末まで確認できる政策管理へ変える。

説明責任――市長答弁の進捗台帳

陸前高田市議会 一般質問の雛形集 14/14 | 説明責任 一陸前高田市民からの提言 / 調査基準日 2026年8月19日 / 石田 祐太(三陸ハピネス

この資料の立場(必ずお読みください) この資料は、市民の一人である石田祐太が、市の公表資料と他自治体の公開資料だけを根拠に、個人として自主的に作成し、公開しているものです。 ・市議会議員のお名前は出していません。 ご本人に依頼も相談もしていないからです。 ・作成にあたり、議員・市議会・市役所からの依頼、監修、承認、推薦は受けていません。文責はすべて石田祐太にあります。 ・掲載順はテーマ順で、評価・順位・期待度を示すものではありません。 ・この資料は、市政や議員活動の全体・実績・能力・賛否・担当分野を評価するものではありません。取り上げていないテーマに取り組まれていないという意味でもありません。 ・特定の候補者への投票、支持、反対、当選または落選を求めるものではありません。 ・それでも、この中の一つでも議会での議論や日々の暮らしの参考になるものがあれば、自由に、断りなく、加工してお使いください。ただし自由にお使いいただけるのは、石田祐太が作成した文章・図表の部分だけです。引用元の資料については、各発行者の定めに従ってください。 ・誤りや権利上の問題にお気づきの際はご連絡ください。確認のうえ訂正または取り下げます。

この本が扱う分野:議会と説明責任/答弁の進捗/市政の見える化/市民への報告 特定の議員の発言・経歴・担当分野を示すものではありません。この本の主題を、探しやすいように並べたものです。

運用上の注記:議長職の中立性に配慮し、在任中は議会内での提案として扱うことを想定しています。市長への一般質問として用いる場合は、議長職を離れた時点、または他の議員との役割分担でお使いください。

  • 件名:一般質問に対する答弁の進捗管理について
  • 狙い:一般質問を一日限りの応酬から、市民が結末まで確認できる政策管理へ変える。

背景(事実)

市議会基本条例第9条は、議会が市民の立場から市の政策を独自に評価することを定めています。議会だよりには追跡調査の掲載例もあります。ただし、全ての質問について提案と市の対応を継続的に一表で追う仕組みは、本調査では確認できず不明です。

市の財政は、地方交付税等が令和7年度60.31億円から令和9年度57.13億円へ、財政調整基金が同期間に47.69億円から43.69億円へ減る見通しです。実質公債費比率11.6%(令和6年度決算)は全国市町村平均5.6%の約2.1倍です。使える資源が細るほど、「検討する」と答えたものが実際に検討されたかどうかの重みが増します。やらないと決めたのなら、やらないと分かる形にすることが説明責任です。

出典:陸前高田市議会基本条例市議会だより一覧市財政見通し

制度の土台

一般質問そのものには地方自治法の条文がありません。根拠は標準市議会会議規則に基づく慣行です。監視の権限は地方自治法第98条(検査権)・第100条(調査権)にあり、本市の議会基本条例は第2条第3号で市政運営の監視及び評価を、第7条で事務執行の監視・評価を議会の役割として定めています。答弁の進捗を台帳にする法定義務はありません。だからこそ、やるかどうかで差が出ます。 出典:e-Gov法令検索・地方自治法陸前高田市議会基本条例

本質問

一般質問への答弁のうち「検討する」「研究する」「関係機関と協議する」とした事項について、次を市側の台帳として四半期ごとに公開すべきではないか。

  1. 答弁日と、質問者を除いた案件名
  2. 担当課
  3. 約束した内容と期限
  4. 実施・検討中・不採用の別
  5. 未対応の場合の理由

先行実例

北海道福島町(人口約4千人)は「議会一般質問等答弁事項進捗状況調査実施要綱」を平成26年度定例会3月会議から施行し、答弁のその後を会議ごとに公表し続けています。整理番号は少なくとも34まで追跡されています。人口4千人の町が10年以上続けている仕組みです。 出典:福島町議会

北海道下川町(人口約3千人)も同名の進捗状況調査を行い、自治基本条例の説明責任を根拠に「対応中」の状態まで公開しています。 出典:下川町

参考として、国会では国会法第75条により、内閣は質問主意書を受領してから7日以内に答弁しなければならず、できない場合は理由と期限を明示することとされています。国政では期限が制度化されている一方、地方の一般質問に法定の期限はありません。 出典:e-Gov法令検索・国会法

財源のあたり

専用の交付金はありません。議会事務局と担当課の既存事務の延長で足ります。台帳の列は答弁日・担当課・約束内容・期限・実施/未実施と理由の5つで、新規システムは不要です。福島町はPDFで10年以上継続しています。

小さく試す案

過去すべてを遡らなくてよい。直近2年の「検討・研究・協議」答弁だけを抽出し、実施・未実施と理由を一表にする。件数は限られており、既存の会議録から機械的に拾えます。令和8年度末までに一度出し、令和9年度から四半期ごとに更新する形で構いません。

想定される市の答弁(推測)

「各担当課において答弁の趣旨に沿って対応し、必要に応じて議会へ説明している。」

再質問

担当課ごとの管理では、市全体として約束が消えていないかを確認できません。まず直近2年分を抽出し、2026年度末までに実施・未実施と理由を一表で示せますか。示せない場合、市は「検討する」と答えたものの結末を、どの資料で市民に説明するのか答えてください。

議会内での提案(議長として)

議会側も、一般質問と「議会と語る会」で出た提案を追う「質問後チェック表」を議会だよりで試行し、市の台帳と突き合わせる。市に求めるだけでなく、議会も同じ物差しを自らに当てる形にする。

三つの逃げと切り返し

  • 「国の動向を注視」型(国待ち):答弁したのは市であり、国ではありません。むしろ国会では質問主意書に7日以内の答弁が義務づけられており、地方の「検討します」の方が緩いのが現状です。
  • 「財政上困難」型(財政難):会議録は既に存在し、担当課も分かっています。作業は抽出と転記で、新規の支出は生じません。人口約4千人の福島町が平成26年度から続けています。
  • 「既に実施している」型(既にやっている):実施しているのであれば、直近2年で「検討する」と答弁した件数と、そのうち実施に至った件数を答えてください。この2つの数字が、実施の有無そのものです。

この本が立っている市全体の数字(人口・財政・これから10年で来る請求書)ははじめににまとめてあります。議場でお使いになる前に、出典先で最新値へ差し替えてください。

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読み終えたあとに

この論点を、自分の市で調べ直したいとき

答弁がその後どうなったかは、議事録を数年分つなげないと追えません。そのつなぎ合わせを代わりにやります。

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