全国平均を上回っている作成率を、実際に動く手順へ進める。
災害福祉――作成率32.2%の次にある「訓練」
陸前高田市議会 一般質問の雛形集 07/14 | 災害福祉 一陸前高田市民からの提言 / 調査基準日 2026年8月19日 / 石田 祐太(三陸ハピネス)
この資料の立場(必ずお読みください) この資料は、市民の一人である石田祐太が、市の公表資料と他自治体の公開資料だけを根拠に、個人として自主的に作成し、公開しているものです。 ・市議会議員のお名前は出していません。 ご本人に依頼も相談もしていないからです。 ・作成にあたり、議員・市議会・市役所からの依頼、監修、承認、推薦は受けていません。文責はすべて石田祐太にあります。 ・掲載順はテーマ順で、評価・順位・期待度を示すものではありません。 ・この資料は、市政や議員活動の全体・実績・能力・賛否・担当分野を評価するものではありません。取り上げていないテーマに取り組まれていないという意味でもありません。 ・特定の候補者への投票、支持、反対、当選または落選を求めるものではありません。 ・それでも、この中の一つでも議会での議論や日々の暮らしの参考になるものがあれば、自由に、断りなく、加工してお使いください。ただし自由にお使いいただけるのは、石田祐太が作成した文章・図表の部分だけです。引用元の資料については、各発行者の定めに従ってください。 ・誤りや権利上の問題にお気づきの際はご連絡ください。確認のうえ訂正または取り下げます。
この本が扱う分野:防災/避難行動要支援者/福祉と災害/避難訓練 特定の議員の発言・経歴・担当分野を示すものではありません。この本の主題を、探しやすいように並べたものです。
- 件名:個別避難計画の訓練実施と未作成理由の公表について
- 狙い:全国平均を上回っている作成率を、実際に動く手順へ進める。
背景(事実)
本市の個別避難計画の作成率は32.2%です(令和8年4月1日現在、対象205人に対し計画66人)。同じ令和8年4月1日現在で全国平均は15.1%(対象約669万7千人に対し約101万4千人)、岩手県平均は23.9%であり、本市は全国の約2.1倍、県平均も上回っています。同日時点で作成率20%以下の団体が全国の52.3%を占めるなかでの数字です。
同時に、全国で訓練の実施に取り組んでいる団体は309にとどまります。市は2026年4月に地域防災計画を更新し、高齢化率は42.1%(2026年1月1日)で岩手県全体の35.6%を6.5ポイント上回ります。人口16,532人(2026年7月31日)に対し病院2施設・一般診療所6施設、医師13.6人(令和5年)です。前年からの計画増は3人でした。作成率で先行しているからこそ、次に問うべきは「令和8年4月1日現在の66人分は動くのか」になります。
出典:内閣府・避難行動要支援者に関する調査(令和8年)/調査結果PDF/東海新報(令和8年5月15日)/市・避難行動要支援者支援/市地域防災計画
制度の土台
災害対策基本法第49条の10は市町村に名簿の作成を義務づけ、第49条の14は個別避難計画の作成を努力義務としています(令和3年法律第30号、令和3年5月20日施行)。作成は努力義務ですが、訓練の実施に法律上の縛りはありません。だからこそ、やるかどうかが自治体の判断で分かれます。 出典:e-Gov法令検索・災害対策基本法/内閣府・取組指針(令和3年5月改定)
本質問
作成率で全国を上回った次の段階として、次を問う。
- 作成済み66人(令和8年4月1日現在)のうち、実際に訓練を行った人数は何人か
- 未作成139人について、その理由を「支援者がいない」「本人の同意が得られない」等に分類して公表できないか
- 在宅で電源が必要な方(人工呼吸器・在宅酸素等)は何人で、停電時の代替電源は確保されているか
- 福祉避難所が満員の場合の代替先は、計画に書かれているか
- 夜間・冬季・支援者不在時を想定した昼夜別の支援者は決まっているか
先行実例
岩手県奥州市は「在宅的ケア児等用発電機貸与事業」(令和3年4月1日施行)により、人工呼吸器等の電源を必要とする方へ発電機を無償で貸与しています。県内に既に前例があります。 出典:奥州市例規
宮城県は「在宅人工呼吸器使用者非常用電源整備事業」(平成31年医政第0213号の10、令和8年3月13日更新)で、簡易電源の整備を制度化しています。 出典:宮城県・事業要綱
財源のあたり
個別避難計画の作成経費には普通交付税措置があり、優先度の高い方について1人あたり約7,000円が算定されています(令和3年度から)。対象205人(令和8年4月1日現在)で概算144万円規模です。あわせて内閣府の個別避難計画作成モデル事業が令和8年度も継続しており、作成が進まない市町村への伴走支援に使えます。 出典:総務省・地方財政審議会議事要旨(令和3年6月11日)/内閣府・要支援者支援
小さく試す案
66人全員をいちどに訓練しなくてよい。在宅で電源が必要な方に限って、令和8年度中に停電時の代替電源と搬送手順を確定させ、一度動かしてみる。人数が限られており、最も命に直結する層です。
想定される市の答弁(推測)
「本人の同意を得ながら個別避難計画の作成を進め、地域や福祉関係者と連携してまいりたい。」
再質問
作成については既に全国平均を上回っており、その点は評価しています。伺っているのはその先です。66人のうち何人が一度でも訓練をしたか、そして未作成139人の理由の内訳を、令和9年度当初までに公表できますか。できない場合、市はどの数字で「実際に助けられる」と判断するのですか。
三つの逃げと切り返し
- 「国の動向を注視」型(国待ち):国は令和3年に努力義務化を済ませています。待っている新しい枠組みはありません。残る論点は作成率ではなく訓練です。
- 「財政上困難」型(財政難):作成経費には1人あたり約7,000円の普通交付税措置があり、対象205人で概算144万円規模です。訓練は既存の防災訓練に組み込めます。
- 「既に実施している」型(既にやっている):作成については実施しており、全国15.1%に対し32.2%(いずれも令和8年4月1日現在)と先行しています。だからこそ、訓練実施率という次の数字を伺っています。
この本が立っている市全体の数字(人口・財政・これから10年で来る請求書)ははじめににまとめてあります。議場でお使いになる前に、出典先で最新値へ差し替えてください。
読み終えたあとに
この論点を、自分の市で調べ直したいとき
作成率が上がっても、訓練をしていない計画は当日動きません。自分の市の作成率の内訳と訓練の実施状況を突き合わせる調べ方から承ります。
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