人口減少対策を、一律の移住PRから、人が離れる理由ごとの制度の直しへ変える。

若者の人口流出――転出理由の追跡調査

陸前高田市議会 一般質問の雛形集 04/14 | 若者の流出 一陸前高田市民からの提言 / 調査基準日 2026年8月19日 / 石田 祐太(三陸ハピネス

この資料の立場(必ずお読みください) この資料は、市民の一人である石田祐太が、市の公表資料と他自治体の公開資料だけを根拠に、個人として自主的に作成し、公開しているものです。 ・市議会議員のお名前は出していません。 ご本人に依頼も相談もしていないからです。 ・作成にあたり、議員・市議会・市役所からの依頼、監修、承認、推薦は受けていません。文責はすべて石田祐太にあります。 ・掲載順はテーマ順で、評価・順位・期待度を示すものではありません。 ・この資料は、市政や議員活動の全体・実績・能力・賛否・担当分野を評価するものではありません。取り上げていないテーマに取り組まれていないという意味でもありません。 ・特定の候補者への投票、支持、反対、当選または落選を求めるものではありません。 ・それでも、この中の一つでも議会での議論や日々の暮らしの参考になるものがあれば、自由に、断りなく、加工してお使いください。ただし自由にお使いいただけるのは、石田祐太が作成した文章・図表の部分だけです。引用元の資料については、各発行者の定めに従ってください。 ・誤りや権利上の問題にお気づきの際はご連絡ください。確認のうえ訂正または取り下げます。

この本が扱う分野:人口減少/若者の転出/移住・定住/仕事と暮らしの選択 特定の議員の発言・経歴・担当分野を示すものではありません。この本の主題を、探しやすいように並べたものです。

  • 件名:若年層の転出理由と帰還条件の調査について
  • 狙い:人口減少対策を、一律の移住PRから、人が離れる理由ごとの制度の直しへ変える。

背景(事実)

2025年中の人口動態は、出生57人に対し死亡368人、自然増減▲311人、社会増減▲113人でした。2025年の減少424人のうち73.3%は自然減です。つまり社会減だけを止めても人口は減り続けますが、逆に言えば、2025年の社会減113人は「理由が分かれば手が打てる」唯一の部分です。

市の政策シナリオでも人口は2025年16,478人から2035年13,577人へ17.6%減ります。一方、1人当たり市町村民所得は251.1万円(令和5年度)、有効求人倍率は0.78倍(大船渡職安管内・2026年5月)で、求人が求職を下回っています。転出数だけでは、進学・職種・賃金・住居・交通・性別役割・地域関係のどこを直すべきかが分かりません。

出典:人口動態調査(e-Stat)第3期総合戦略市町村民所得(岩手県)岩手労働局

制度の土台

転出届は住民基本台帳法上の義務ですが、転出理由のアンケートはそれとは別の任意の手続です。個人情報保護法第61条・第69条により、届出で得た情報を目的外に使うことはできないため、届出に紐づけて回答を必須にすることはできません。任意・無記名・利用目的の事前明示という形であれば適法に実施できます。総務省も「世論調査などは統計調査に含まれない」と整理しています。 出典:e-Gov法令検索・個人情報保護法総務省・統計調査の範囲

本質問

15〜39歳の転出者に対し、次を匿名で尋ね、3年後にも追跡する調査を実施すべきではないか。

  1. 転出の理由(複数回答ではなく、最も大きい理由を1つ)
  2. 戻るとしたら何が必要か
  3. 希望する職種と、その所得水準
  4. 住居と交通(家賃・実家との関係・免許の有無)
  5. 子育て・介護の予定と、地域との関係

結果は男女別・年代別・地区別に、個人が特定されない範囲で公表する考えはあるか。

先行実例

長野県飯山市(人口約2万人)は2014〜15年に転出者アンケートを実施し、窓口での回収率は71.5%、郵送は22.0%でした。窓口で渡すと郵送の3倍以上返ってくるという実測です。同調査では転出理由の第1位が「仕事の関係(就職・転職・転勤・退職)」で48.4%、転出者の45.0%が20〜29歳でした。 出典:飯山市・転出者アンケート

茨城県が平成30年に行った市町村の転入・転出理由調査でも、理由の第1位は「就職・転職・転業」で39.9%でした。総務省も窓口アンケート型を統計利活用の事例として公開しています。 出典:茨城県総務省 Data StaRt

参考までに、人口戦略会議が2024年4月に示した推計では、全国1,729自治体のうち744(43.3%)が2020年から2050年にかけて20〜39歳女性人口が50%以上減るとされています。 出典:人口戦略会議レポート

財源のあたり

調査だけを対象とした専用国庫はありません。総合戦略の既存事業への組み替えが本線で、必要なら内閣府のデジタル田園都市国家構想交付金(地方創生推進タイプ)が、総合戦略に位置づけた事業のKPI検証費として使えます。飯山市の例のとおり、実体は届出時に渡す紙1枚です。 出典:内閣府・交付金

小さく試す案

新たな調査を立ち上げなくてよい。転出届の窓口で、任意・無記名の1枚(設問7つ・所要2分)を渡すだけで始められます。回収率が低くても、年間の社会減が113人規模(2025年中)であれば、数十件で傾向は見えます。

想定される市の答弁(推測)

「国・県の統計や各種アンケート、若者会議などを通じて意向の把握に努めている。」

再質問

「これから出ていくかもしれない人」の一般的な意向と、「実際に出ていった人」の理由は違います。住民異動時の任意アンケートとオンラインでの追跡を2027年度から始めますか。始めない場合、市は誰のどのデータで、総合戦略の人口目標の達成度を測るのか答えてください。

三つの逃げと切り返し

  • 「国の動向を注視」型(国待ち):総務省が窓口アンケートを統計利活用の事例として既に公開しています。転出届は市の窓口業務であり、待つ対象ではありません。
  • 「財政上困難」型(財政難):飯山市の例は届出時に渡す紙1枚で、窓口回収率71.5%(2014〜15年)を得ています。移住PRに支出しながら離れる理由の把握に予算がないという説明は、優先順位の説明として成り立ちません。
  • 「既に実施している」型(既にやっている):実施しているのであれば、直近年度の「転出理由の第1位」を数字で示してください。示せないのであれば、把握しているのは意向であって理由ではありません。

この本が立っている市全体の数字(人口・財政・これから10年で来る請求書)ははじめににまとめてあります。議場でお使いになる前に、出典先で最新値へ差し替えてください。

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読み終えたあとに

この論点を、自分の市で調べ直したいとき

転出届だけでは、なぜその人が出て行ったのかは分かりません。追跡調査の設計と、答えが返ってくる聞き方のところから相談できます。

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