危険な空き家への公費対応を減らし、本人の意思が確認できる段階で住宅を次の使い手へ渡す。
住宅――相続前からの空き家予防
陸前高田市議会 一般質問の雛形集 12/14 | 住宅・相続 一陸前高田市民からの提言 / 調査基準日 2026年8月19日 / 石田 祐太(三陸ハピネス)
この資料の立場(必ずお読みください) この資料は、市民の一人である石田祐太が、市の公表資料と他自治体の公開資料だけを根拠に、個人として自主的に作成し、公開しているものです。 ・市議会議員のお名前は出していません。 ご本人に依頼も相談もしていないからです。 ・作成にあたり、議員・市議会・市役所からの依頼、監修、承認、推薦は受けていません。文責はすべて石田祐太にあります。 ・掲載順はテーマ順で、評価・順位・期待度を示すものではありません。 ・この資料は、市政や議員活動の全体・実績・能力・賛否・担当分野を評価するものではありません。取り上げていないテーマに取り組まれていないという意味でもありません。 ・特定の候補者への投票、支持、反対、当選または落選を求めるものではありません。 ・それでも、この中の一つでも議会での議論や日々の暮らしの参考になるものがあれば、自由に、断りなく、加工してお使いください。ただし自由にお使いいただけるのは、石田祐太が作成した文章・図表の部分だけです。引用元の資料については、各発行者の定めに従ってください。 ・誤りや権利上の問題にお気づきの際はご連絡ください。確認のうえ訂正または取り下げます。
この本が扱う分野:空き家/相続/住宅/所有者不明土地 特定の議員の発言・経歴・担当分野を示すものではありません。この本の主題を、探しやすいように並べたものです。
- 件名:空き家の発生を予防する相談窓口の連携について
- 狙い:危険な空き家への公費対応を減らし、本人の意思が確認できる段階で住宅を次の使い手へ渡す。
背景(事実)
市は空家等対策計画を持ち、空き家バンク等を運用しています。市の高齢化率は42.1%(2026年1月1日)、2025年中の死亡は368人で出生57人の6.5倍です。人口は2035年に13,577人(市の政策シナリオ)まで減る見通しです。これから毎年、数百戸単位で「持ち主が代わる住宅」が発生し続けます。
所有者が亡くなった後、あるいは施設に入った後に、相続人が分からない、家財が片付いていない、境界が確定していない、という状態になると、活用の費用は跳ね上がります。市が高齢の所有者に対し、相続の前段階で住まいの整理を案内する仕組みを持っているかは、公開資料からは不明です。
出典:空家等対策/空家等対策計画/人口動態調査(e-Stat)/年齢別住民基本台帳人口(e-Stat)
制度の土台
相続登記は2024年4月1日から義務化されています。不動産登記法第76条の2により、相続で所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請しなければならず、正当な理由なく怠ると同法第164条第1項で10万円以下の過料の対象となります。また空家等対策の推進に関する特別措置法は、令和5年の改正(2023年12月13日施行)で管理不全空家等への指導・勧告を市町村の権限とし、勧告により住宅用地特例が解除されます。所有者側の義務は既に重くなっており、市が案内する意味はその分だけ大きくなっています。 出典:e-Gov法令検索・空家等対策特別措置法/法務省・相続登記の申請義務化
本質問
空き家になってからでは遅い。固定資産税、介護、死亡届、転出、成年後見の各窓口から、所有者本人の意思を尊重したうえで、次の相談へつなぐ仕組みを始めるべきではないか。
- 相続人の確認と遺言の準備
- 家財の整理
- 境界の確定
- 登記の状態の確認
- 売却・賃貸・解体の選択肢の提示
あわせて、個人情報を目的外に使わないための手順を、同時に示せないか。
先行実例
神奈川県横須賀市は2023年に「住まいの終活」の相談ページを公式に立ち上げ、空き家になる前の相談を窓口業務として位置づけました。県の居住支援協議会が作った終活ノートを窓口で使い、国土交通省のモデル事業では中年世代向けの「プレ終活」セミナーも行っています。 出典:横須賀市・住まいの終活
大阪府守口市は「自治体LINE及び終活診断チャートを活用した空き家発生未然防止事業」で国土交通省のモデル事業に採択され、生前の診断から相談へつなぐ流れを作っています。 出典:国土交通省・空き家対策モデル事業採択一覧
全国の空き家は900万2千戸、空き家率13.8%で過去最高です(令和5年住宅・土地統計調査、2023年10月1日)。うち賃貸・売却用等を除く空き家は同調査で385万6千戸(5.9%)です。 出典:総務省統計局
財源のあたり
国土交通省の空き家対策モデル事業は「発生抑制(生前対策)」をテーマの一つとして採択しており、横須賀市・守口市はいずれもこの枠です。整備段階では空き家対策総合支援事業が使え、空家法に基づく計画を持つ市町村の取組には特別交付税の措置もあります。窓口の連携そのものは既存窓口の組み替えで足り、新たな箱物は要りません。 出典:国土交通省・空き家対策モデル事業/国土交通省・空き家対策
小さく試す案
全庁で一斉に始めなくてよい。固定資産税の納税通知に案内を1枚同封し、希望した方だけを相談へつなぐ。年1回、既に全所有者へ届く郵便物があるという点が要点です。令和9年度の納税通知から始め、令和10年度に相談件数を検証する形で構いません。
想定される市の答弁(推測)
「空き家バンクや専門家による相談会を周知し、所有者による適正な管理を促してまいりたい。」
再質問
周知を待つのではなく、発生の確率が高い接点で一度だけ案内する仕組みを求めています。関係課と司法書士・宅地建物取引士・福祉職による相談票を作り、2027年度に一地区で試行しますか。個人情報の目的外利用を避ける手順も併せて示してください。
三つの逃げと切り返し
- 「国の動向を注視」型(国待ち):相続登記の義務化は2024年4月、管理不全空家等への措置は2023年12月に施行済みです。待つ対象はありません。
- 「財政上困難」型(財政難):同封する紙1枚と相談会の運営費です。国土交通省の空き家対策モデル事業は発生抑制をテーマに含んでおり、管理不全空家へ公費で対応する段階の費用と比べれば桁が違います。
- 「既に実施している」型(既にやっている):空き家バンクと相談会はあります。しかし固定資産税・介護・死亡届・転出・成年後見の5つの窓口から相続前につなぐ設計は別のものです。昨年度に「まだ空き家になっていない住宅」で受けた相談件数をお答えください。
この本が立っている市全体の数字(人口・財政・これから10年で来る請求書)ははじめににまとめてあります。議場でお使いになる前に、出典先で最新値へ差し替えてください。
読み終えたあとに
この論点を、自分の市で調べ直したいとき
空き家は建ってしまってからでは費用が跳ね上がります。自分の地区で、相続の前にまだ手が届く戸数がどれだけあるかを数える調べ方から相談できます。
LINEで相談する押すとLINEが開き、どのページから来たかが入った下書きが出ます。送っただけで費用はかかりません。料金は、何をどこまでやるかを聞いてから決める要相談です。