誘致の成否を来訪者数や雰囲気ではなく、教育・産業・空間・財政の成果で判定できるようにする。

大学連携――5年成果表と撤退条件

陸前高田市議会 一般質問の雛形集 01/14 | 大学連携 一陸前高田市民からの提言 / 調査基準日 2026年8月19日 / 石田 祐太(三陸ハピネス

この資料の立場(必ずお読みください) この資料は、市民の一人である石田祐太が、市の公表資料と他自治体の公開資料だけを根拠に、個人として自主的に作成し、公開しているものです。 ・市議会議員のお名前は出していません。 ご本人に依頼も相談もしていないからです。 ・作成にあたり、議員・市議会・市役所からの依頼、監修、承認、推薦は受けていません。文責はすべて石田祐太にあります。 ・掲載順はテーマ順で、評価・順位・期待度を示すものではありません。 ・この資料は、市政や議員活動の全体・実績・能力・賛否・担当分野を評価するものではありません。取り上げていないテーマに取り組まれていないという意味でもありません。 ・特定の候補者への投票、支持、反対、当選または落選を求めるものではありません。 ・それでも、この中の一つでも議会での議論や日々の暮らしの参考になるものがあれば、自由に、断りなく、加工してお使いください。ただし自由にお使いいただけるのは、石田祐太が作成した文章・図表の部分だけです。引用元の資料については、各発行者の定めに従ってください。 ・誤りや権利上の問題にお気づきの際はご連絡ください。確認のうえ訂正または取り下げます。

この本が扱う分野:大学誘致・大学連携/若者の進学と就職/投資の成果指標/撤退条件 特定の議員の発言・経歴・担当分野を示すものではありません。この本の主題を、探しやすいように並べたものです。

  • 件名:大学誘致・大学連携の成果指標と見直し基準について
  • 狙い:誘致の成否を来訪者数や雰囲気ではなく、教育・産業・空間・財政の成果で判定できるようにする。

背景(事実)

市は今後5年間を扱う第3期総合戦略を策定し、若い世代の転出超過を主要課題に置いています。市の政策シナリオでも人口は2025年16,478人から2035年13,577人へ17.6%減る見通しです(第3期総合戦略、令和7年策定)。中学校は2校・生徒358人(令和5年)で、地元に残る若年層の母数そのものが縮んでいます。

一方、大学誘致・大学連携は、学生や研究者が「来た」という事実だけでは市民への効果を測れません。財政面では、財政力指数0.32(令和6年度決算)は全国市町村平均0.49を下回り、新たな恒常的支出を抱える余力は大きくありません。投資である以上、成果指標と、成果が出なかった場合の扱いを先に決めておく必要があります。

出典:第3期総合戦略市統計書市財政公表資料

制度の土台

国の支援制度は「地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律」(平成30年法律第37号)に基づく認定計画を前提としています。認定は任意です。 出典:e-Gov法令検索

本質問

大学誘致・大学連携について、次を年度別のKPIとして公表すべきではないか。

  1. 学生・研究者の年間滞在日数(来訪者数ではなく滞在の量)
  2. 地元事業者との共同事業数と、そこで動いた金額
  3. 市内の児童生徒が授業・探究活動で関わった延べ人数
  4. 市の財政負担額(施設改修費・運営費・人件費の別)
  5. 3年後に成果が届かなかった場合の縮小・変更・撤退の条件

特に5について、着手の前に条件を定める考えはあるか。

先行実例

群馬県板倉町(人口約1.4万人)/東洋大学板倉キャンパス:1997年開設に際し県・町などが計45億円を支援しましたが、2024年3月に撤退しました。撤退直前(2023年度)の学生数は約1,800人でした。建設条件として交付した補助金は、撤退時に返還を求められる性質のものではありませんでした。 出典:上毛新聞読売新聞

山形県鶴岡市/慶應義塾大学先端生命科学研究所:2001年開設。2019〜21年度の経済波及効果は年平均41億600万円と評価されています。ただし2021年度以降も県と市で年間計約7億円の継続支援が伴っています。 出典:山形県の評価報告

この2件が示すのは、成功しても撤退しても、支援は「続く費用」だという点です。だから成果指標と撤退条件は同時に必要になります。

財源のあたり

国の地方大学・地域産業創生交付金(内閣府)は、産官学の計画を原則5年支援するもので、産業生産額・雇用・地元就職/起業・大学の組織改革・産学共同の5点をKPIとして必須にしています。来訪者数は国のKPIに入っていません。つまり本質問が求める指標は、国の交付金の型とむしろ一致します。 出典:内閣府・地方大学交付金

小さく試す案

5項目すべてを一度に整えなくても、まず①滞在日数と⑤財政負担額の2つだけを、2026年度分から年1回公表する。既に市が持っている数字であり、新たな調査は不要です。

想定される市の答弁(推測)

「相手方大学との協議を進めており、具体化に応じて成果をお示ししたい。」

再質問

「具体化してから」では、市民は投資の判断に参加できません。2026年度末までに、最低限どのKPIと財政負担の上限を公開しますか。公開しない項目があるなら、その理由を項目ごとに答えてください。

三つの逃げと切り返し

  • 「国の動向を注視」型(国待ち):国の交付金は既に5年計画と5つのKPIを求めています。来訪者数で測る設計のほうが、国の型と合っていません。待つ理由になりません。
  • 「財政上困難」型(財政難):指標を置くこと自体に費用はかかりません。むしろ撤退条件のない投資のほうが高くつきます。板倉町は45億円を支援した後、2024年に撤退されています。財政力指数0.32(令和6年度決算)の本市には、より重い選択です。
  • 「既に実施している」型(既にやっている):実施しているのであれば、直近年度の学生滞在日数と市の負担額の実数を、この場で示してください。示せないのであれば、それは測っていないということです。

この本が立っている市全体の数字(人口・財政・これから10年で来る請求書)ははじめににまとめてあります。議場でお使いになる前に、出典先で最新値へ差し替えてください。

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読み終えたあとに

この論点を、自分の市で調べ直したいとき

この5年成果表は陸前高田市の公表資料だけで組んであります。他の市の連携協定を同じ物差しで測り直したいときは、公開資料の在り処を探すところから承ります。

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