市の一円を、安い発注として市外へ流すのではなく、地域の雇用・所得・技能へ戻す。

地域経済――公共調達の地域内循環率

陸前高田市議会 一般質問の雛形集 11/14 | 公共調達 一陸前高田市民からの提言 / 調査基準日 2026年8月19日 / 石田 祐太(三陸ハピネス

この資料の立場(必ずお読みください) この資料は、市民の一人である石田祐太が、市の公表資料と他自治体の公開資料だけを根拠に、個人として自主的に作成し、公開しているものです。 ・市議会議員のお名前は出していません。 ご本人に依頼も相談もしていないからです。 ・作成にあたり、議員・市議会・市役所からの依頼、監修、承認、推薦は受けていません。文責はすべて石田祐太にあります。 ・掲載順はテーマ順で、評価・順位・期待度を示すものではありません。 ・この資料は、市政や議員活動の全体・実績・能力・賛否・担当分野を評価するものではありません。取り上げていないテーマに取り組まれていないという意味でもありません。 ・特定の候補者への投票、支持、反対、当選または落選を求めるものではありません。 ・それでも、この中の一つでも議会での議論や日々の暮らしの参考になるものがあれば、自由に、断りなく、加工してお使いください。ただし自由にお使いいただけるのは、石田祐太が作成した文章・図表の部分だけです。引用元の資料については、各発行者の定めに従ってください。 ・誤りや権利上の問題にお気づきの際はご連絡ください。確認のうえ訂正または取り下げます。

この本が扱う分野:地域経済/公共調達・入札/地元事業者/雇用と所得 特定の議員の発言・経歴・担当分野を示すものではありません。この本の主題を、探しやすいように並べたものです。

  • 件名:公共調達における地域内経済循環の把握について
  • 狙い:市の一円を、安い発注として市外へ流すのではなく、地域の雇用・所得・技能へ戻す。

背景(事実)

市は入札参加者に対し、市内業者の下請利用と市内資材の優先活用を求めています。一方、財政力指数は0.32(令和6年度決算)で、全国市町村平均0.49を下回ります。自前の税収が薄いということは、市の支出が地域の所得に占める比重が相対的に大きいということでもあります。

1人当たり市町村民所得は251.1万円(令和5年度)、有効求人倍率は0.78倍(大船渡職安管内・2026年5月)です。契約額のうち、実際に何割が市内の賃金・下請・資材購入として地域に残ったかを追わなければ、公共調達が地域経済に効いているかは判定できません。市全体の循環率は公開資料からは確認できず、不明です。

出典:市内業者活用に関する入札・契約情報市の財政公表資料(令和6年度)市町村民所得(岩手県)岩手労働局

制度の土台

官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(昭和41年法律第97号)第8条は、地方公共団体に対し、国の施策に準じて中小企業者の受注機会を確保する施策を講ずるよう求めています(努力義務)。また地方自治法施行令第167条の10の2により、価格以外の条件で落札者を決める総合評価一般競争入札を選べます。地域貢献度を評価に組み込む根拠はここにあります。 出典:e-Gov法令検索・官公需法e-Gov法令検索・地方自治法施行令

本質問

工事・物品・委託・指定管理について、契約額のうち次へ回った割合を「地域内循環率」として年度別に把握・公表すべきではないか。

  1. 市内に本店を置く事業者への発注額
  2. 市内事業者への下請発注額
  3. 市内在住者への賃金として支払われた額
  4. 市内で購入された資材の額

あわせて、価格だけでなく地域雇用・賃上げ・技術継承を評価する調達方針をつくる考えはあるか。

先行実例

国は毎年度「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」を閣議決定し、令和6年度の方針では国等の契約に占める中小企業者向けの目標を61%と置いています。国が自らの調達に率の目標を課している一方、市町村では努力義務にとどまるため、率を測っている自治体自体が限られます。 出典:中小企業庁・官公需

測定の道具は既に無償で用意されています。環境省の地域経済循環分析(市町村ごとの産業連関表)と内閣府のRESAS地域経済循環マップは、いずれも費用なしで市の資金の流出入を見られます。 出典:環境省・地域経済循環分析RESAS

財源のあたり

専用の交付金はありません。入札制度の改革、総合評価での加点設計、官公需方針の策定は、いずれも既存予算の組み替えで実施できます。契約台帳から本店所在地を集計する作業に追加の財源は不要で、下請・賃金・資材は受注者への報告様式1枚で足ります。

小さく試す案

全契約でなくてよい。一定金額以上の工事に限り、完了報告に3行(市内下請の有無・市内雇用の人数・市内資材の有無)を足すことから始める。新たな調査ではなく、既存の書類への追記です。

想定される市の答弁(推測)

「公平性と競争性を確保しつつ、市内業者への優先発注に努めているところである。」

再質問

「努める」だけでは効果が測れません。個々の企業の秘密が守られる集計値で構いません。2025年度の契約から市内本店率・市内下請率・市内雇用効果を試算し、2027年度に目標値を置きますか。置かない場合、市は何をもって「優先発注が効いている」と判断しているのか答えてください。

三つの逃げと切り返し

  • 「国の動向を注視」型(国待ち):入札・契約の方針は市が定めています。国の制度改正を待つ必要がある部分と、市が今日決められる部分を分けて答えてください。
  • 「財政上困難」型(財政難):集計の費用の話ではありません。財政力指数0.32(令和6年度決算)の自治体だからこそ、支出が域外へ流れているかどうかを知る価値が大きいという話です。
  • 「既に実施している」型(既にやっている):実施しているのであれば、直近年度の市内本店への発注比率を答えてください。件数比ではなく金額比でお願いします。件数と金額では、結論が逆になることがあります。

この本が立っている市全体の数字(人口・財政・これから10年で来る請求書)ははじめににまとめてあります。議場でお使いになる前に、出典先で最新値へ差し替えてください。

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読み終えたあとに

この論点を、自分の市で調べ直したいとき

公共調達がどれだけ地域に残っているかは、市の発注データを1件ずつ突き合わせないと出ません。自分の市の数字で同じ表を作りたいときに声をかけてください。

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