📚 記録が2015年から始まる町――住田町の15年を、公開資料だけで読む
岩手県住田町の公開資料の目録1,790行をたどり、独自整備した木造仮設住宅93戸、2015年より前の記録の空白、人口と町の約束を確かめた記録。読めたことと確認できないことを分けて書いています。
たどった公開資料1,790点(公開資料の目録)
- この記事で分かること
- 1この町は、被害の外側から93戸を建てた
- 2その93戸は、13年目に最後の解体工事が発注された
- 3この町の記録は、2015年から始まっている
- 4人口は、被害の大きかった隣の2市より速く減った
- 52040年の人口目標は、4,000人から3,500人へ動いた
- 6町は、この15年で確かに動かしたものもある
- 7で、住田町の何が「頼めること」になるのか(まとめ)
- 約束の台帳
- 残っていない記録の地図
- まだ読めていないもの(正直に)
- まとめ
- 関連記事
上から順に並んでいます。気になる章から読んで大丈夫です。
この記事で分かること
- 住田町が被害の外側から整備した木造仮設住宅の記録
- 町の公開資料で2015年より前を読めないという記録の空白
- 人口目標、町の約束、まだ確認できていない資料をどう分けたか
この記事の作り方――読む人への約束
読めた範囲: 文書1,790点・会議録190回分。未読: 目録1,790点のうち1,416点は機械で走査しただけで本文を読んでいない。基準日: 2026年8月4日。
読んだ量は、このシリーズ9市町村で同じ単位に揃えている。文書◯点=目録に載せてURLで所在を確かめた文書・ページの点数。会議録◯回分=議会会議録として所在を確かめた点数(全文検索の対象にした190本)。PDFのページ数は機械で数える工程を入れていないので、この記事では書かない。
- 書くのは公開文書に書いてあることだけ。報道値・SNSの数字は使わない。
- 誰かを責めない。個人名・議員名・職員名を出さない。役職と文書名と年月日で示す。
- 震災当日の描写はしない。
- 「無い」と書くときは、必ずどこまで調べた範囲での話かを添える。裏が取れていないものは
※要確認。 - 年は西暦。和暦は原文引用の中だけ残す。
- 各章の終わりに「→ 三陸ハピネス(石田祐太)ができること」を置く。これは章で見つけた事実に紐づけた提案だけを書き、一般的な宣伝文は書かない。
- 1公開文書に書いてあることを確かめる
- 2「無い」は調べた範囲と一緒に示す
- 3確認できていないことを未完了のまま残す
1 この町は、被害の外側から93戸を建てた
火石団地13戸 → 本町団地17戸 → 中上団地63戸 = 93戸。費用 約3億3,400万円のうち、寄附が約2億3,000万円。入居は約260名、役目を果たしたのは約10年間。
住田町は内陸の町で、津波の直接被害は沿岸2市より小さい。そして独立した震災復興計画は、確認した範囲では見つかっていない(町サイトの全74分類・記事396件を機械で巡回し、表題に「復興」「震災」「被災」を含む記事は0件だった)。「作っていない」とは書かない。 旧サイト、紙資料、別の名前の計画を排除できていないからである ※要確認。
この町が震災に対して何をしたかは、11年後の議会答弁に残っている。
木造仮設住宅は火石団地に13戸、本町団地に17戸、中上団地に63戸、町内3か所に計93戸を整備し、陸前高田市、大船渡市などの被災者約260名の方が入居され、昨年7月までの約10年間、その役目を果たしてまいりました。 93戸の仮設住宅の建設や団地の環境整備に要した費用は約3億3,400万円となっております。 また、本町の仮設住宅は、災害救助法の適用を受けず、単独で整備したことから、整備費等については国からの補助金等は受けず、本町が負担しております — 町長・令和4年3月定例会 2022年3月2日(会議録PDF)
同じ答弁に、寄附が約2億3,000万円あったことも記されている。差は約1億400万円である(これは筆者が引いた数字であり、町が述べたものではない)。
この93戸は、町の外の記録にも残る。林野庁の資料が「震災発生直後に、陸前高田市・大船渡市の後方支援として、第3セクターへの発注により、同町産のスギ・カラマツを多用した木造仮設住宅を93戸建設」と書いている(林政審議会企画部会資料 2011年・7ページ)。
ただし、町が「93戸を独自財源で建てる」と決めた2011年当時の議事録は、町の公開資料では読めない(理由は3章)。上の引用は、決定から11年後のふり返りである。
→ 三陸ハピネス(石田祐太)ができること この町でいちばん語られるべき出来事の一次記録が、11年後の答弁1本に頼っている状態です。当時を知る方が現役でいるうちに、話を聞いて、日付と数字のついた記録として残す――これは今回の読破ではまだやっていない、現地に住む私だからこそ次にやりたい仕事です。 今回やったのは「公開資料を出典つきで並べる」側で、聞き取りはその続きにあたります。写真・チラシ・当時の紙資料をお持ちの方と一緒に、検索できる形へ整理するところは、今回と同じ手順でできます。丸ごとお任せの代行ではなく、持ち主の方と並んで作業する形でお受けします。
2 その93戸は、13年目に最後の解体工事が発注された
中上団地63戸のうち37棟の行き先が決まり、52戸の払い下げ撤去が完了、残る11棟は解体された。確認できた最後の解体工事は2024年7月12日契約・工期は同年10月21日まで。
- 中上団地(63戸)は、払い下げ・移設された15棟を除く48棟を一般への払い下げの対象にし、37棟の行き先が決まった(すみた議会だより175号)。その後「全63戸の内52戸の払い下げ撤去を昨年度中に完了」と報告され、残る11棟は旧下有住小学校第二校舎とあわせて解体された(同178号)。
- 本町団地(17戸)は「最大で17世帯73人が入居し、令和2年4月に全員が退去」(広報すみた 2022年7月号)。
- 中上団地について確認できた最後の解体工事は、2024年7月12日契約・契約上の工期は同年10月21日まで(入札結果)。工事の完了を述べた資料は、確認した範囲では見つかっていない ※要確認。
跡地は次の器になった。中上団地の跡地=旧下有住小学校跡地は「仕事・学びの場」として整備が進んでいる(広報すみた 2021年4月号)。火石団地の側には高齢者向け町営住宅3戸が建った(広報すみた 2021年5月号)。
入居がいつ終わったかは、町の資料の中に2つの言い方がある。 2022年3月の町長答弁は「昨年7月まで」(=2021年7月と読める)、同年6月の総務課長答弁は「令和2年7月まで」(=2020年7月)である(後者の会議録)。どちらが正しいかは、この記事では判断しない。町の同じ年の2つの答弁に、1年ずれた終了時期が並んで存在している、というのが確認できた事実である。

→ 三陸ハピネス(石田祐太)ができること 同じ役場の資料の中で数字がずれるのは、珍しいことではありません。別々の課・別々の年の資料を1本の年表に並べ、食い違いを目に見える形にする――この作業は、AI(Claude・Codex)に数百本のPDFを走査させ、当たったところを人が原文で確かめる、という手順でできます。今回の1,790件も、所在を全件確かめ、371件を走査・読解し、残り(取得できなかった3件を除く)は機械で走査するというこの手順で扱いました。お店・団体・自治会の「うちの資料も散らばっていて分からない」に、同じやり方を持ち込めます。
3 この町の記録は、2015年から始まっている
町公式サイトで読める最古の記事は2015年2月3日。議会会議録の公開は2016年6月定例会から。すみた議会だよりの公開分は157号(2017年)から193号(2026年)まで。
町公式サイトは2015年2月にCMSが入れ替わっている。システムの入れ替えはどこの役場にもある通常の更新である。 ただ結果として、現行サイトの最古の記事IDは 2015020300014 で、それより前の町の一次発信は現行サイト上で読めない。
議会会議録は、町サイトの1ページ(会議録の一覧)にPDFが直接ぶら下がる形で公開され、収録は2016年6月定例会以降とページ本文に明記されている。住田町議会には会議録検索システムのテナントが無い。「すみた議会だより」も、公開分は157号(2017年)から193号(2026年)である。
つまり震災から5年ぶんの町の一次記録は、町の公開資料では読めない。 これは「町が記録を作らなかった」という意味ではない。公開されていないもの、旧URLから読めなくなったもの、原本の保存状況が分からないものを、この記事は区別している(区別の一覧は台帳 空白地図.md)。
正直に書いておくと、筆者も「全部読んだ」とは言えない。 目録1,790件のうち本文まで走査・読解したのは371件で、残り1,416件は機械で走査しただけである。会議録も、公開ページの添付208本のうち185本(これに議会の他ページ5本を足した190本)が全文検索の対象で、残る23本は短い臨時会・審査特別委員会の記録として機械の判定から外れた。
→ 三陸ハピネス(石田祐太)ができること ホームページを新しくすると、古いページはたいてい消えます。そして消えたことに誰も気づきません。これは役場だけの話ではなく、お店・団体・学校のサイトでも同じです。リニューアルの前に、今あるページと配布物を丸ごと保存し、後から探せる形に移す――この段取りを一緒に組むのが、私がいちばん役に立てる仕事のひとつです。すでに消えてしまった分についても、国会図書館の保存版(この町のサイトの保存版があるかは未確認です)や、国・県・研究論文の側の在庫を探す道が残っています。実際に今回、この町の記録の一部は林野庁・国交省・研究論文・国会図書館「ひなぎく」経由の写真で見つかりました。
4 人口は、被害の大きかった隣の2市より速く減った
2010年 6,190人 → 2015年 5,720人 → 2020年 5,045人 → 2025年 4,337人。減り方は -7.59% → -11.80% → -14.03% と、5年ごとに大きくなっている。
| 年 | 総人口 | 世帯数 | 前回比 |
|---|---|---|---|
| 2010年 | 6,190 | 2,083 | ― |
| 2015年 | 5,720 | 2,117 | -470(-7.59%) |
| 2020年(組替値) | 5,045 | 1,981 | -675(-11.80%) |
| 2025年(速報集計) | 4,337 | 1,842 | -708(-14.03%) |
15年で -1,853人、-29.94%。 数字はすべて国勢調査の原典から抜いた(取り方は台帳 人口の実数.tsv)。同じ15年で陸前高田市は -29.5%、大船渡市は -24.87% である。津波の直接被害が小さかった住田町の減少率が、3市町でいちばん大きい(ただし陸前高田との差は約0.4ポイントで、2025年は速報値なので確定値で順序が入れ替わり得る)。
町自身の文書も、この加速を書いている。
平成27 年から令和2年までの人口増減率は、全国の△0.7%、県の△5.8%に対し、本町は△11.8%となっています。これは、過去最も減少の度合いが高かった平成17 年から平成22 年までの増減率△9.6%を超え、過去最大の減少率となっています。 — 住田町過疎地域持続的発展計画 1-2(1)
同じ計画に内訳がある。高齢者比率45.3%・若年者比率8.5%(2020年)。住民基本台帳の2020〜2024年度は、出生が年平均14人、死亡が年平均115人。転入80人・転出126人。
→ 三陸ハピネス(石田祐太)ができること 出生が年14人、15〜64歳が5年で17%減った町では、「人手を増やして回す」がもう選べません。だから私がやるのは、人を増やす提案ではなく、同じ人数のままで手数を減らす仕組みづくりです。申込・予約・問い合わせ・お知らせを、紙と電話からLINEやフォームに移す(これは今回の読破の手順ではなく、私がふだんの仕事でやっている側です)。名簿と集計を手作業から自動に移す。派手ではありませんが、毎日の作業が10分減ると、年におよそ60時間戻ってきます。一緒に手を動かして、ご自分で直せるところまでお渡しするのが私のやり方です。

5 2040年の人口目標は、4,000人から3,500人へ動いた
住田町では、確認した範囲で独立した震災復興計画が見つかっていない。人口の目標は総合計画の側に置かれてきた。その3代の並びが、この町の15年でいちばんはっきり動いた数字である。
2040年の人口目標: 4,000人(2015年度策定)→ 4,000人を継承(2020年度からの計画)→ 3,500人(2025年度からの計画)。
本町では、平成27年度に策定し、令和元年度までを期間とする町人口ビジョン・総合戦略・総合計画では、人口目標を2040年に4,000人と掲げていますが、目標よりも減少に拍車がかかっています。 — 総務教民常任委員長・所管事務調査報告/2021年9月17日(会議録)
あえて今の5か年計画についても、チャレンジ的な意味も含め、4,000人という目標を、第1次の5か年計画と同様に高く目標を持とうと、そういう形の中で、最初の5か年計画もそれは達成できなかったわけですけども、減少率、ここにいかに歯止めをかけるかというのが重要だ — 町長・2021年9月8日(会議録)
本計画で示す各施策を推進することにより、人口減少を抑制し、2040年における人口目標を以下のとおりとします。2040(令和22)年 3,500人 — 住田町総合計画(令和7年度〜令和11年度)p.22
同じ計画は、期間中の各年の目標を2025年 4,584人 → 2029年 4,260人(毎年 -81人)と置いている。一方、実績の直近5年は5年で -708人=年平均 -141.6人である(筆者が割った数字)。そして計画が2025年に置いた4,584人に対し、同じ年の国勢調査 速報集計は4,337人で、247人少ない。
なお、計画の目標値が国勢調査の系列か住民基本台帳の系列かは、計画本文に明記が無い ※要確認。町の広報には住民基本台帳ベースと読める人口(「令和8年1月末日現在 人口4,538人」広報すみた 2026年2月号)も別に載っており、混ぜてはいけない。
4,000人を取り下げると書いた文書は、確認した範囲では見つかっていない。 2025年度からの計画が別の数字を書いている、というのが確認できた事実である。
→ 三陸ハピネス(石田祐太)ができること ここで大事なのは「目標が下がった」ことではなく、同じ町の資料に、系列の違う人口が何種類も載っていることです。補助金の申請書や事業計画で数字を出すとき、これを取り違えると審査で止まります。どの数字がどの原典から来ていて、何と比べてよくて何と比べてはいけないのか――この整理を、申請書や計画書を書く場面で一緒にやります。私が今回、3市町の人口を「同じ原典・同じ期間・同じ速報」で揃えたのと同じ手順です。
6 町は、この15年で確かに動かしたものもある
追跡できた約束15件のうち、履行済9・確認不能5・変更/中止1。〔期限超過〕は0件だが、これは遅れが無いという意味ではない。
台帳 未完了リスト.md では、議会会議録190本から機械で拾った町側答弁の約束候補4,297文のうち、期限の言い方も含む503文を全件仕分けた。そこから終わりが一意に決まる約束を追跡した結果が次である(未完了だけを並べていないのが、この作業の要点)。
| 約束(要旨) | 述べた年月 | 期限 | 結果 |
|---|---|---|---|
| こども家庭センターを開設する | 2023-03 | 令和6年4月までに | 開設(2024年4月・保健福祉課内) |
| 地域公共交通計画を策定する | 2024-02 | 令和6年度 | 策定(2025年3月)→ 2025年11月にコミュニティバス再編とデマンド交通の実証運行 → 2026年2月に本格運行を決定 |
| ペットボトルの分別収集・資源化を開始する | 2024-02 | 令和7年度から | 開始(2025年4月) |
| 第10次教育振興基本計画を策定する | 2022-03 | 令和5年度から | 策定(2023年度が初年度) |
| 栗木鉄山跡の発掘調査に取り組み国指定史跡を目指す | 2017-03 | 平成29年度から | 国史跡に指定(2021年度) |
| 0〜2歳児の保育料を全額無償化する | 2023-03 | 令和5年度より | 無償化 |
| 町税等のコンビニ収納を導入する | 2024-02 | 令和6年度 | 導入(2024年4月) |
| 仮設住宅の解体工事を実施する | 2024-03 | 令和6年度 | 年度内に契約が結ばれ、契約上の工期も年度内(2024年7月12日契約・工期は同年10月21日まで。工事完了を述べた資料は未確認 ※要確認) |
| 町営住宅の管理に指定管理者制度を導入する | 2026-03 | 令和8年4月 | 指定議決と当初予算まで確認(運用開始の直接の記載は未確認 ※要確認) |
台帳 未完了リスト.md の全数は履行済9・確認不能5・変更/中止1の計15件で、上の表はそのうち履行済9件である。
一方、確認できなかったものも同じ物差しで書いておく。窓口での行政手続のデジタル化(範囲が特定できない)、農地の地域計画の「全地区」網羅(地区の総数と対応が照合できない)、ハザードマップ「100%」(分母が特定できない)、平成31年度中の全世帯の生活再建(その後の記載が見つからない)、公会計への移行(完了の記載が見つからない)――この5件は〔確認不能〕である。確認した範囲は会議録190本・町サイト1,787件、基準日は2026年8月4日。
〔期限超過〕は0件だったが、これは遅れが無いという意味ではない。 追跡したのは「終わりが一意に決まる約束」だけで、追跡していない26文と、期限の言い方を含まない3,794文が残っている。
学校では、2024年4月1日に世田米中学校と有住中学校が統合して住田中学校1校になった。小学校の児童数は2019年度172人から2024年度133人へ動いている(住田町子ども・子育て支援事業計画)。財政の実質公債費比率は2019年度8.6%から2024年度6.6%へ下がり、将来負担比率は6年度とも「-」である(台帳 財政指標.tsv)。
→ 三陸ハピネス(石田祐太)ができること 上の表を作るのに、私は会議録190本を全文検索し、当たった文だけを原文で確かめるという手順を使いました(土台として、町サイトの文書1,787件の所在と種類も機械で確かめています)。同じ手順は、行政の資料に限りません。「うちの業界の補助金、去年と今年で何が変わったのか」「近隣の自治体は同じ制度をどう運用しているのか」――大量の公開資料から、必要な1行を出典つきで拾ってくるのは、AIの軍団を持つ私の得意分野です。しかも出典URLと『どこまで探したか』を必ず添えます。「たぶんこうです」で終わらせないのが、この15年読破でやり切ろうとしていることそのものです。
7 で、住田町の何が「頼めること」になるのか(まとめ)
この記事で見えたことを、頼める形に並べ直すとこうなります。
| この町で見えたこと | 三陸ハピネスに頼めること |
|---|---|
| 2015年より前の町の発信が読めない | 消える前の記録づくり――サイト・紙資料・写真を、後から探せる形へ。リニューアル前の保存の段取りも一緒に |
| 決定の記録が11年後の答弁1本 | 聞き取りと記録化――当時を知る方から話を聞き、日付と数字のついた記録に |
| 資料はあるが208本のPDFに散っている | 散らばった資料の年表化・図解――1枚で分かる形へ |
| 同じ町の資料で数字が食い違う | 数字の突き合わせ――申請書・計画書で使う数字の出所を揃える |
| 出生年14人・15〜64歳が5年で-17% | 手数を減らす仕組みづくり――申込・予約・お知らせを紙と電話から移す |
| 大量の公開資料を読む必要がある | 調べもの代行(出典つき)――補助金・制度・近隣事例を、URLと「どこまで探したか」つきで |

私の売り方について、先に書いておきます。 時間で売るのではなく、月に何回かのご相談という形でお受けします。1回は目安60分。使わなかった回は翌月へ1回だけ繰り越せます。LINEの短いご質問は回数を使わず、いつでもどうぞ(返事は遅くても3日以内)。メニューは「一緒に作る」だけです。丸投げで完成品だけ欲しい方には、私は向いていません。 一緒に手を動かして、ご自分で直せるところまで持っていきたい方のための会です。学んで卒業されるのは、私にとって損失ではなく狙いです。
そして、私の説明不足や設定ミスでうまく動かなかった分は、動くまで直します。追加のお代はいただきません。それは値引きではなく、私の看板の守り方です。 無料で直すのは私の側が原因の分です。新しいご要望や、環境が変わったことによる作り直しは、新しいご相談としてお受けします。
武器は、Claude・Codex・Grokという味方の軍団と、私自身が現地に行って手を動かせることの組み合わせです。今回の1,790件も、所在を全件確かめ、371件を走査・読解し、残り(取得できなかった3件を除く)は機械で走査する形で、その組み合わせで扱いました。
約束の台帳
状態まで判定できた15件のうち、履行済9・期限内進行中0・期限超過0・期限なし・継続中0・変更・中止1・確認不能5。
ここでいう「約束」は、主体(役職)・行為・対象・期限または完了条件が全部書かれている文だけを指す。目標(KPI)・見込み・検討表明・議員の通告は種別を分けて扱う。守られた約束も、守られていない約束と同じ表・同じ出典水準で載せる。 IDは9市町村共通の形式で、市町村2字+初出年+年ごとの連番の形をとる。
| ID | 種別 | 約束・目標(要旨) | 述べた年月 | 期限の書き方 | 状態 | 章 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SM-2023-001 | 約束 | こども家庭センターを開設する | 2023-03 | 令和6年4月(2024年4月)までに | 〔履行済〕2024年4月に保健福祉課内へ設置 | 6 |
| SM-2024-001 | 約束 | 地域公共交通計画を策定する | 2024-02 | 令和6年度(2024年度) | 〔履行済〕2025年3月に策定 | 6 |
| SM-2024-002 | 約束 | ペットボトルの分別収集・資源化を開始する | 2024-02 | 令和7年度(2025年度)から | 〔履行済〕2025年4月開始 | 6 |
| SM-2022-001 | 約束 | 第10次教育振興基本計画を策定する | 2022-03 | 令和5年度(2023年度)からの5年間 | 〔履行済〕2023年度が初年度 | 6 |
| SM-2017-001 | 約束 | 栗木鉄山跡の発掘調査に取り組み国指定史跡を目指す | 2017-03 | 平成29年度(2017年度)から | 〔履行済〕2021年度に国史跡指定 | 6 |
| SM-2024-006 | 約束 | 中上団地の住戸の解体工事と現況復旧工事を実施する | 2024-03 | 令和6年度(2024年度) | 〔履行済〕2024年7月契約・工期は同年10月21日まで(工事完了を述べた資料は※要確認) | 2 |
| SM-2023-002 | 約束 | 0歳児から2歳児までの保育料を全額無償化する | 2023-03 | 令和5年度(2023年度)より | 〔履行済〕同じ議会で実現を確認 | 6 |
| SM-2024-003 | 約束 | 町税等のコンビニ収納を導入する | 2024-02 | 令和6年度(2024年度) | 〔履行済〕2024年4月開始 | 6 |
| SM-2024-004 | 約束 | 窓口での行政手続・公共施設の利用手続をデジタル化する | 2024-02 | 令和6年度(2024年度) | 〔確認不能〕導入の完了を述べた記載が見つからない ※要確認 | 6 |
| SM-2024-005 | 約束 | 残りの全地区で農地の地域計画を策定する | 2024-02 | 令和6年度(2024年度) | 〔確認不能〕全地区を網羅したかを確認できていない ※要確認 | 6 |
| SM-S-001 | 目標 | 2040年の人口目標 4,000人 | 2015年度策定 | 2040年 | 〔変更・中止〕2025年度からの計画で3,500人へ | 5 |
| SM-S-002 | 目標 | 洪水・土砂災害のハザードマップを100%にする(国の通知) | 2020-09 | 令和3年度末(2021年度末)までに | 〔確認不能〕「100%」の分母を特定できない ※要確認 | 6 |
| SM-2019-001 | 約束 | 平成31年度(2019年度)中の全世帯の生活再建へ支援を継続する | 2019-02 | 平成31年度(2019年度)中 | 〔確認不能〕判定できる記載が見つからない ※要確認 | 6 |
| SM-2017-002 | 約束 | 公会計へ移行する | 2017-12 | 平成29年度(2017年度)中 | 〔確認不能〕移行完了を述べた記載が見つからない ※要確認 | 6 |
| SM-2026-001 | 約束 | 町営住宅の管理に指定管理者制度を導入する | 2026-03 | 令和8年4月(2026年4月) | 〔履行済〕2025年12月5日に指定議決、2026年度当初予算に指定管理料(運用開始の直接の記載は※要確認) | 6 |
分母も書いておく。 議会会議録190本から機械で拾った町側の約束候補は4,297文。そのうち期限の言い方も含む503文を全件仕分け、原文まで追跡して状態ラベルを付けたのが上の15件である。期限の言い方を含まない候補3,794文は、まだ1件も仕分けていない。 また、追跡したのは「何が起きれば終わりと言えるか」が文面から一意に決まる約束に偏っている。履行済が多いのは、その選び方と、追える約束が2016年以降に限られる構造の両方による。
〔期限超過〕が0件なのは、遅れが無いという意味ではない。 終わりが一意に決まる約束だけを追跡し、残りを追跡していないためである。

この節は、残りの候補文の仕分けが進んだ時点、または新しい一次資料で個別の状態が確認できた時点で書き換わる。(確認済みの範囲: 会議録190本・町サイト1,787件。基準日: 2026年8月4日)
残っていない記録の地図
記録が薄い町では、この節が主役になる。 「無い」は、探した範囲を数字で言えるときだけ書ける。以下は6つの区分に分けた空白の地図である(全文は台帳 空白地図.md 第2版〔資料13〕)。
① 探した範囲
基準日は2026年8月4日。町公式サイトの全74分類について3系統の一覧を重ね、重複を除いて記事396件を確定した。記事から抽出した添付URLは1,806本(1,803本がHTTP 200、3本は町サイト側のリンク切れで404)。目録のデータ行は1,790行である。読んだ水準は3段に分かれ、読了(全文検索)190本・読了(Sol要約)181件・読了(機械要約)1,416件。機械要約の1,416件は中身を1文ずつ読んでいない。
② 無いもの一覧
| 文書の種類 | 期間 | 状態 | 探した範囲/無かったもの | その範囲の外に残っている可能性 |
|---|---|---|---|---|
| 震災復興計画 | 2011〜2026年 | 保存状況不明 | 全74分類・記事396件を確認し、表題に「復興」「震災」「被災」を含む記事は0件だった。 | 作成の有無と町側の原本所在は未確認。情報公開請求の経路が残っている。 |
| 町公式サイトの震災期ページ | 2011〜2015年1月 | 旧URL消失 | 現行サイトの最古の記事IDは2015020300014。2015年2月にCMSが入れ替わっている。 | 国立国会図書館WARP、Internet Archiveの保存版は未確認。 |
| 議会会議録 | 2010〜2016年5月 | 存在するが非公開 | 会議録ページのPDF208本を確認。本文に収録範囲が2016年6月定例会以降と明記されている。 | 原本の現存は未確認。情報公開請求の経路が残っている。 |
| すみた議会だより | 2011〜2016年 | 保存状況不明 | 公開されている39本は157号(2017年)から193号(2026年)の範囲だった。 | 紙の号が町または図書館に残るかは未確認。 |
| 会計検査院の金額つきの名指し指摘 | 期間不明 | 探索範囲で未確認 | 会計検査院の全文検索は対照語でも0件を返し索引に使えず、目録の13件では見つからなかった。悉皆探索ではない ※要確認。 | 探索範囲外の資料に記録が残る可能性がある。 |
③ 背景事情(因果ではない参考情報)
この節は空白ができた原因を示すものではない。 住田町は内陸に位置し、津波の直接被害は沿岸市町より小さい。一方で制度上は特定被災地方公共団体等の一覧に含まれている。この二つは両立する事実である。2015年2月に町サイトのCMSが入れ替わったが、システムの入れ替えはどこの役場にもある通常の更新である。 会議録の公開開始が2016年6月であることは、町の会議録ページの本文に明記されている。制度上、独立した復興計画を設けず総合計画等で対応する形もあり得る(これは確認できた事実ではなく、あり得る形として挙げた参考情報である)。
④ 誰の何が「町の公開資料では」読めないか
- 2011年から2015年1月までに町が発信した震災期の一次情報〔旧URL消失〕。
- 2010年から2016年5月までの議会で何が議論され、どのような発言が記録されたか〔存在するが非公開〕。
- 独立した震災復興計画が作成されたか、作成された場合に何が記されたか〔保存状況不明〕。
- 2011年から2016年までの「すみた議会だより」が何を伝えたか〔保存状況不明〕。
- 町が仮設住宅93戸を独自財源で建てると決めた、2011年当時の審議の記録〔存在するが非公開〕。決定の内容だけは11年後のふり返り(2022年3月2日の町長答弁)として残っているが、当時の議事録ではない。
⑤ 町の外に残っている記録
町の現行サイトでたどれない時期にも、国・県・研究機関・図書館の側には資料が残っている。木造仮設住宅93戸については、林野庁「林政審議会企画部会資料」(2011年)、国土交通省「岩手県住田町の木造仮設住宅建設の意義」(2011年)、復興庁「令和2年度 調査事業報告書」(2021年)、部材の再利用を扱った研究論文(2023年)、入居者調査の研究論文(2012年)、国立国会図書館「ひなぎく」経由の建築中の写真資料(2017年収録)が確認できる。人口・補助事業については会計検査院の検査要請報告と別表がある。岩手県立図書館には震災関係の雑誌記事索引がある。同じ出来事を一つの文書だけで読まず、作成主体と調査対象を確かめながら重ねることで、現行サイトだけではたどれない時期を補える。
⑥ まだ取り戻せるか
この節は「これから取り戻す」という約束ではない。 いま残っている経路と、その経路で確認できる範囲までの記載である。
| 手段 | 判定 | 現在言えること |
|---|---|---|
| 情報公開請求 | 未確認 | 2010〜2016年5月の会議録原本、2010〜2018年度の財務書類(町サイトの公開は2019年度分以降)が対象。請求の経路は残っている。 |
| 町・図書館で紙の議会だよりを探す | 未確認 | 2011〜2016年の号が紙で残るかは未確認。 |
| 岩手県立図書館の震災関係雑誌記事索引 | 索引は今すぐ読める/本文は館内閲覧 | 索引はウェブから読める。本文は紙のため来館が必要。 |
| 国立国会図書館WARP/Internet Archive | 未確認 | 2015年2月より前の町サイトの保存版があるかは未確認。 |
| 国・県・研究機関の公開資料を読む | できる | ⑤の資料は現在リンク先から読める。 |
まだ読めていないもの(正直に)
- 目録1,790点のうち1,416点は機械で走査しただけで、本文を読んでいない。本文まで走査・読解したのは371点である。
- 会議録の23本が走査の対象から外れている。会議録ページの添付208本のうち185本(議会の他ページ5本を足して190本)が全文検索の対象で、残る23本は開会・閉会だけの短い臨時会や審査特別委員会の記録として機械の判定から外れた。
- 期限の言い方を含まない約束候補3,794文が未仕分けである。
- 議会以外の文書(総合計画・個別計画・広報)から拾った約束候補37件が、約束の台帳に未反映である。
- 2015年より前の町の一次発信は、町の公開資料では読めない。国会図書館の保存版があるかどうかも未確認である。
- 中上団地の解体工事の完了を述べた資料が、確認した範囲では見つかっていない ※要確認。
- 総合計画の人口目標が国勢調査の系列か住民基本台帳の系列かが、計画本文に明記されていない ※要確認。
出典一覧
公開されているURLと、この記事の作業台帳を分けて並べる。作業台帳は現時点で公開していない。 台帳だけを根拠にしている数字は、読者がいまの時点では原典まで自力で辿れないということなので、その区別を隠さずに書く。
公開されている一次資料
- 〔資料1〕住田町議会 会議録の一覧
https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2023021500012/ - 〔資料2〕町長答弁 令和4年3月定例会 2022年3月2日 会議録PDF
https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2023021500012/files/20220302.pdf - 〔資料3〕林政審議会企画部会資料(林野庁・2011年)
https://www.rinya.maff.go.jp/j/rinsei/singikai/attach/pdf/kikaku111028-2.pdf - 〔資料4〕広報すみた 2022年7月号
https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2022072600016/files/kouhou202207.pdf - 〔資料5〕入札結果(中上団地の解体工事)
https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2024040300027/files/R06_015-02.pdf - 〔資料6〕総務課長答弁 2022年6月10日 会議録PDF
https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2023021500012/files/20220610.pdf - 〔資料7〕広報すみた 2021年4月号
https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2021050600024/files/kouhou202104.pdf - 〔資料8〕住田町過疎地域持続的発展計画
https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2016050600013/files/kasotiikijizokuteki.pdf - 〔資料9〕住田町総合計画(令和7年度〜令和11年度)
https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2025040900026/files/sougoukeikaku_R7-R11.pdf - 〔資料10〕住田町子ども・子育て支援事業計画
https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2016050600013/files/20260327kodomokosodate3.pdf
作業台帳(未公開。数字はすべて上の一次資料の原典から抜いています)
- 〔資料11〕
人口の実数.tsv(国勢調査の原典から転記)/総合計画_人口目標.tsv/財政指標.tsv - 〔資料12〕
未完了リスト.md(約束の全件と分母・本表15件)/議会答弁_約束候補の仕分け.tsv - 〔資料13〕
空白地図.md(残っていない記録の地図・第2版) - 〔資料14〕
目録.tsv(1,790行・読了水準の3段と取得の実測) - そのほか
軌跡.md(時系列の事実・9章)/議会通告_件名.tsv
版と訂正履歴 / 連絡窓口
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 版番号 | 第2版(2026年8月17日) |
| 基準日 | 2026-08-04(JST) |
| 訂正履歴 | 第2版でシリーズ共通の規格に合わせ、読んだ量の単位を3点(文書・のべページ相当・会議録)へ統一し、「約束の台帳」「まだ読めていないもの」の節と番号付きの出典一覧、図4枚を足しました。第1版の本文の記述は変えていません。 |
| 連絡窓口 | Instagram / X のダイレクトメッセージ(@yuta__ishida) |
指摘・新しい一次資料が届いた場合は、該当行を書き換え、上の訂正履歴に日付と内容を残します。
まとめ
- 住田町が被害の外側から整備した木造仮設住宅と、その後の記録をたどりました。
- 人口と人口目標、町の約束を公開資料で確かめ、記録の空白も同じ重さで示しました。
- 未読と未確認を分け、新しい一次資料が届いたときに訂正できる形で残しています。