高台から夕方の町と海を見下ろす人の後ろ姿。杭の札に、いま16,532人、と書かれている。

2028年人口17,000人の目標ケース、2026年7月31日現在16,532人を出発点とするケース、若者の定住・転出・Uターン意向を反映した慎重ケースごとに、財政と公共施設への影響を一枚で比べられるか——担当課と算定方法を含む暫定版を次回定例会までに公表できるかを問える形にしてあります。

人口減少を、「人数の目標」ではなく「暮らしを守る選択表」として問う

陸前高田・13の論点集 | 人口 公開版 2026年8月 / 石田 祐太(三陸ハピネス)

この論点を一枚で(数字は本文と同じ・出典は下の本文にあります)
16,532人いまの人口(2026年7月末)
468人2028年目標までの距離
10.9%将来も市内に住みたい中高生
提案「人口・財政・公共施設三シナリオ表」の暫定版を次回定例会までに公表する

この資料の立場(必ずお読みください) この資料は、市民の一人である石田祐太が、市の公表資料と他自治体の公開資料だけを根拠に、個人として自主的に作成し、公開しているものです。

  • 市議会議員のお名前は出していません。 ご本人に依頼も相談もしていないからです。
  • 市民アンケートはまだ実施していません。ここに書いた「市民が求めていること」は、公表資料から私が読み取った予想にとどまります。
  • 作成にあたり、議員・市議会・市役所からの依頼、監修、承認、推薦は受けていません。文責はすべて石田祐太にあります。
  • 掲載順はテーマ順で、評価・順位・期待度を示すものではありません。
  • この資料は、市政や議員活動の全体・実績・能力・賛否・担当分野を評価するものではありません。取り上げていないテーマに取り組まれていないという意味でもありません。
  • 特定の候補者への投票、支持、反対、当選または落選を求めるものではありません。
  • それでも、この中の一つでも議会での議論や日々の暮らしの参考になるものがあれば、自由に、断りなく、加工してお使いください。ただし自由にお使いいただけるのは、石田祐太が作成した文章・図表の部分だけです。引用元の資料については、各発行者の定めに従ってください。
  • 誤りや権利上の問題にお気づきの際はご連絡ください。確認のうえ訂正または取り下げます。

0. 一枚要約

この資料が支えられる論点: 2028年人口17,000人の目標ケース、2026年7月31日現在16,532人を出発点とするケース、若者の定住・転出・Uターン意向を反映した慎重ケースごとに、財政と公共施設への影響を一枚で比べられるか——担当課と算定方法を含む暫定版を次回定例会までに公表できるかを問える形にしてあります。

  • 16,532人:2026年7月31日現在の人口。店、交通、学校、地域活動を支える現在地である。(人口・世帯数(2026))
  • 468人:2028年に見込む17,000人までの現時点の距離。一人ひとりに仕事、納税、買い物、地域活動がある。(後期基本計画(2024))
  • 10.9%:将来も市内に住みたい中高生は、およそ10人に1人。若者の選択と将来の財政は同じ問題である。(中高生アンケート(2022))
  • 提案:「人口・財政・公共施設三シナリオ表」の暫定版を次回定例会までに公表する。

1. 市民はどこで困っているか(私の読み)

16,532人という数字の後ろには、店、交通、学校、公共施設を、どの規模なら使い続けられるのかという毎日があります。市の2028年目標17,000人とは、現時点で468人の距離です。目標へ届く場合と届かない場合で、守れるサービスや負担がどう変わるのかが見えなければ、市民は暮らしの先を選べません。(人口・世帯数(2026)後期基本計画(2024))

10.9%という数字の後ろには、「このまま市内に住む」以外の道を考える中高生の毎日があります。市外に住みたい回答は30.8%でした。市外を考える理由の37.0%は、進学先や就職先の選択肢が多いことです。若者に地元への気持ちを問う前に、ここで選べる学校と仕事、外へ出てもつながり直せる道を示す必要があります。(中高生アンケート(2022))

28.9%という数字の後ろには、一度市外へ出てから戻りたいと考える中高生の将来があります。およそ10人に3人です。この人たちは、今すぐ住み続ける人数には入りません。しかし、仕事、住まい、学び直し、家族の事情が整えば、戻る選択肢を持つ層です。「残る人」だけで将来を組み立てると、戻る道を支える施策と財政が見えなくなります。(中高生アンケート(2022))

公開されたパブリックコメントには、計画の評価に曖昧な満足度ではなく、客観的な指標を使うよう求める意見がありました。市はこれを受け、満足度を正式な成果指標から外しています。人口目標についても、市民が求めるのは一つの数字を信じることではなく、前提が変わった時に何を守るかを確かめられる物差しです。(総合計画パブリックコメント結果(2023))

2. なぜ、いまこの問いなのか

市の後期基本計画は2028年人口17,000人を見込み、人口を持続可能な行財政運営で最も重要な指標としています。後期基本計画(2024) 一方、2026年7月31日現在の人口は16,532人です。人口・世帯数(2026) 目標に至る年次別の目安や、人口が異なる複数のケースごとに市税、地方交付税、事業費、基金残高、公共施設の維持更新費がどう変わるかは、公表資料からは確認できませんでした。どの課がどの算定方法で影響額を出し、いつ更新するのかも含め、一つの人口目標と、暮らしを守る財政・施設判断との間に残る確認点です。

3. 事実の壁

事実の壁を一枚で(数字は本文と同じ)
30.8%市外で暮らしたい中高生
28.9%一度出て戻りたい中高生
37.0%理由は進学・就職の選択肢の多さ
空白三つの人口ケースごとの財政と公共施設の姿は、まだ一枚になっていない
  1. 現在人口と計画人口

    2026年7月31日現在の人口は16,532人である。2028年に見込む17,000人まで、現時点で468人の距離がある。468人は単なる差ではなく、働く人、サービスを使う人、地域を支える人の合計である。(人口・世帯数(2026)後期基本計画(2024))

  2. 市内定住の意向

    将来も市内に住みたい中高生は10.9%、およそ10人に1人である。市外に住みたい回答は30.8%、およそ10人に3人だった。(中高生アンケート(2022))

  3. 戻る可能性

    一度市外へ出て戻りたい回答は28.9%、およそ10人に3人である。「住み続ける人」だけで将来人口を考えると、この層の条件が財政運営から抜ける。(中高生アンケート(2022))

  4. 若者が見ている条件

    市外を選ぶ理由の37.0%は、進学先や就職先の選択肢が多いことだった。およそ10人に4人が、まちへの好き嫌いではなく、将来の選択肢を見ている。(中高生アンケート(2022))

  5. 市自身が置いた財政上の位置づけ

    総合計画は、人口を持続可能な行財政運営で最も重要な指標としている。人口目標と財政判断は、別々の計画事項ではない。(後期基本計画(2024))

4. 他自治体はもう動いている

岡山県高梁市

  • 施策名:高梁市公共施設等総合管理計画・公共施設再配置方針
  • 開始年:2017年
  • 実施内容:人口と財政の見通しから、施設ごとに継続、譲渡、転用、統合、廃止を判定した。
  • 成果:2017~2021年度に、譲渡・解体で16,220平方メートルを削減した。新築・寄附の9,868平方メートルを差し引いても、6,352平方メートルの純減である。
  • 目標:40年間で延床面積約40%削減。最終目標は未達で、市の自己評価は「一部達成」である。
  • 費用・財源:公表資料では確認できなかった。
  • 出典高梁市公共施設再配置方針高梁市行財政改革プラン取組実績(2023)
  • 陸前高田市との条件差:高梁市は広域合併による施設重複、本市は震災復興による施設整備という違いがある。削減率は転用できないが、人口と財政を施設ごとの判断へ結ぶ手順は比較できる。

人口減少を解決した事例ではない。人口・財政・施設総量を接続し、未達を含めて実績を数値で公表した事例である。

5. 提案

提案の道すじ ― 4手で終わります
  1. 1既存資料を一枚へ突き合わせる庁内試行から始める
  2. 2三つの人口ケースと算定する財政項目を決める
  3. 3担当課・算定方法・完成期限を書き入れる
  4. 4次回定例会までに暫定表を公表する

費用と財源の書き方は、この下の本文にあります。

  1. 何を

    「人口・財政・公共施設三シナリオ表」を作る。

    • 2028年人口17,000人の目標ケース
    • 現在の16,532人を出発点とするケース
    • 中高生の定住・転出・Uターン意向を反映した慎重ケース

    各ケースについて、歳入、経常的な事業費、基金残高、公共施設の維持更新費、守る事業、見直す事業を一覧にする。

  2. いつまでに

    暫定版を次回定例会までに公表する。次年度当初予算案から、主要事業がどの人口ケースを前提にしたかを付記する。

  3. 概算費用

    最小の第一歩は、既存資料を一枚へ突合する庁内試行とする。追加額は既存人件費内を想定するが、正確な額は不明である。

    外部委託が必要な場合は、福知山市の2016年度実績である委託料500万円を上限目安とする。これは本市の見積額ではなく、比較用の概算基準である。(福知山市平成28年度主要事項説明書)

  4. 財源候補

    一般財源。利用可能な国・県補助メニューは、公表資料では確認できなかった。

最小の第一歩:次回定例会までに、三つの人口ケース、算定する財政項目、担当課、算定方法、完成期限だけを載せた一枚の暫定表を公表する。

決断を迫る問い:暫定表を次回定例会までに公表できるか。できない場合は、障害と公表可能な期限を明示できるか。

6. 質問原稿の例(そのまま読めます)

2026年7月31日現在、本市の人口は16,532人です。数字だけを見れば、一つの現在値です。しかし、その後ろには毎日の暮らしがあります。店を続けられるか。交通をどこまで保てるか。学校や公共施設をどの規模で支えるか。人口は、減った後に帳尻を合わせる数字ではありません。市民がこれからも同じ場所で暮らしを選べるかを左右する、財政と施設の前提です。 (人口・世帯数(2026))

総合計画が2028年に見込む人口は17,000人です。現在値との差は468人です。一人ひとりに、仕事、納税、買い物、地域活動があります。人口の前提が変われば、必要な事業量も支える財源も変わります。 (後期基本計画(2024))

現在値と将来目標の比較だけで、達成できないとは言えません。必要なのは、目標へ至る年ごとの道筋です。同時に、届かない場合の財政影響も必要です。市民が知りたいのは、数字が外れた時に、どの暮らしをどう守るかです。

2022年の中高生アンケートでは、将来も市内に住みたい回答は10.9%でした。およそ10人に1人です。市外に住みたい回答は30.8%でした。およそ10人に3人です。一度市外へ出て戻りたい回答も28.9%でした。 (中高生アンケート(2022))

戻りたいと答えた約10人に3人は、今の定住者数には入りません。しかし、将来の市民になり得る人たちです。住まい、仕事、学び直し、家族の事情が整う時に、戻る道があるか。確約として数えることも、最初からいないものとすることもできません。別のシナリオで施策と財政につなぐべきです。

若者に、残るか、戻るかを迫るべきではありません。問うべきは、どの選択をしても、このまちとつながり直せる条件があるかです。市外を考える理由の37.0%は、進学先や就職先の選択肢が多いことでした。およそ10人に4人が、将来の選択肢を見ています。 (中高生アンケート(2022))

市の総合計画は、人口を持続可能な行財政運営で最も重要な指標としています。それなら、人口目標を一つ掲げるだけでは足りません。人口が違えば、歳入、事業費、基金、施設更新費がどう変わるか。それを市民が比べられる形にする必要があります。 (後期基本計画(2024))

そこで伺います。2028年人口17,000人の目標ケース。現在の16,532人を出発点とするケース。中高生の定住、転出、Uターン意向を反映した慎重ケース。この三つについて、歳入、経常的な事業費、基金残高、公共施設の維持更新費への影響を、次回定例会までに一覧で公表いただけますか。できないとすれば何が障害か。公表できる期限と併せて明示してください。

人口の前提が下がる時、何を一律に削るかを先に決めるのではありません。何を守り、何をまとめ、何を別の方法へ変えるかを先に選びます。その判断基準を、市民に見える一枚として共有することが必要です。

岡山県高梁市は、2017年から公共施設等総合管理計画を進めています。人口と財政の見通しを施設総量へつなぎました。目標は、40年間で延床面積を約40%減らすことです。2017年度から2021年度までに、譲渡と解体で16,220平方メートルを減らしました。新築と寄附の9,868平方メートルを差し引いても、6,352平方メートルの純減です。最終目標は未達です。市の自己評価も「一部達成」です。未達を含めて数字で示しています。 (高梁市公共施設再配置方針高梁市行財政改革プラン取組実績(2023))

高梁市は、広域合併による施設重複を抱えます。本市は、震災復興で整備した施設を抱えます。経緯は異なります。同じ削減率を当てはめる提案ではありません。人口と財政を、施設ごとの判断へ結ぶ手順を参考にする提案です。

提案するのは、「人口・財政・公共施設三シナリオ表」です。新しい計画を一冊増やすものではありません。既存の人口資料、総合計画、実施計画、財政資料を一枚につなぎます。各ケースで、守る事業、見直す事業、判断を先送れない施設を示します。

次年度当初予算案から、各主要事業がどの人口ケースを前提にしたかを付記いただけますか。できないとすれば何が障害か。まず付記できる事業と、全体へ広げる期限を明示してください。

最小の第一歩は、既存資料を一枚へ突合する庁内試行です。追加額は既存人件費内を想定しますが、正確な額は不明です。外部委託が必要な場合は、福知山市の2016年度実績である委託料500万円を上限目安とします。本市の見積額ではありません。比較の物差しです。財源候補は一般財源です。使える国・県補助メニューは確認できませんでした。 (福知山市平成28年度主要事項説明書)

金額を全て埋められなくても、作業は始められます。三つの人口ケース、算定する財政項目、担当課、算定方法、完成期限を載せます。空欄には、理由と埋める日を書きます。この暫定表を次回定例会までに公表いただけますか。できないとすれば何が障害か。欠けているデータと担当課を明示してください。

最後に確認します。次回定例会までに、担当課と算定方法を示した暫定表を公表する。そのうえで、次年度当初予算案から主要事業の前提人口を付記する。その理解でよろしいですね。

この質問で変えたいのは、人口の見方だけではありません。市内で暮らす人が、店、交通、学校、公共施設の先を見通せるようにすることです。市外へ出る若者が、戻る道を失わないようにすることです。人口が目標に届く場合も、届かない場合も、市民の毎日を守る選択を先に示す。その一枚を、今から作ることを求めます。

7. 答弁シミュレーション

①「検討します」

再質問:検討事項を、人口ケース、財政項目、担当課、算定方法の四つに分けてください。検討の終了日と暫定表の公表日を、ここで明示いただけますか。

二本勝ち筋:期限を答えれば約束が残る。答えなければ、検討に期限がないことが議事録に残る。

確定復唱:次回定例会までに、担当課と算定方法を示した暫定表を公表していただけると理解してよろしいですね。

②「把握しておりません」

再質問:把握していないのは、人口ケース、歳入影響、基金残高、施設更新費のどの項目ですか。欠けている項目を次回定例会までに把握するよう、担当課へ指示いただけますか。

二本勝ち筋:把握済みなら数字が残る。未把握なら調査項目と期限が宿題になる。

確定復唱:未把握の項目を特定し、次回定例会までに算定状況を公表していただけると理解してよろしいですね。

③「国・県の動向を注視します」

再質問:国・県制度の決定を待たなくても、本市の人口、既存予算、施設台帳は本市で整理できます。国・県分を空欄とし、市単独で算定できる部分を先に公表いただけますか。

二本勝ち筋:先行公表を認めれば作業が始まる。認めなければ、国・県待ちが必要な項目の特定につながる。

確定復唱:市単独で算定できる部分を、次回定例会までに公表していただけると理解してよろしいですね。

④「財源が限られています」

再質問:第一歩は、新システムではなく既存資料を一枚へ突合する作業です。庁内試行の作業量を算定し、外部委託が必要なら上限額と一般財源への影響を次回定例会までに示せますか。

二本勝ち筋:庁内実施なら追加委託を避けられる。委託が必要なら必要額と財源判断が表に出る。

確定復唱:庁内試行か外部委託かを決め、必要額を次回定例会までに示していただけると理解してよろしいですね。

⑤「本市は事情が異なります」

再質問:高梁市の削減率を本市へ当てはめる提案ではありません。人口と財政を施設ごとの判断へ結ぶ手順を、本市の震災復興施設に合わせて作る提案です。転用できない手順と、転用できる手順を分けて示せますか。

二本勝ち筋:転用可能なら実施へ進む。転用不能なら、本市独自の判断基準を作る必要が確定する。

確定復唱:本市の条件に合わせた施設判断の手順を、次回定例会までに示していただけると理解してよろしいですね。

8. この資料の使い道(続き物の設計)

答弁で出た人口ケース、算定項目、担当課、費用、期限を一つの確認表へ記録する。次の定例会では、約束した暫定表の公表日、空欄の解消状況、次年度当初予算案への反映を同じ項目で照合する。公表された場合は数字の差と事業選択を問える。公表されなかった場合は、答弁で確定した期限と障害を再質問できる。

9. 出典一覧・確認できなかったこと

出典一覧

確認できなかったこと

  1. 人口ケース別の市税、地方交付税、経常的事業費、基金残高、施設更新費への具体的影響額は不明。
  2. 2022年以後の中高生将来意向調査の実施状況は不明。
  3. 中高生の意向を将来人口へ換算する市の算定方法は不明。
  4. 2028年人口17,000人へ至る年次別の目安と、下振れ時の対応基準は不明。
  5. 三シナリオ表を庁内で作る場合の正確な人件費と作業量は不明。
  6. 本市で外部委託する場合の見積額は不明。500万円は福知山市の実績を使った上限目安であり、本市の確定額ではない。
  7. 利用可能な国・県の補助メニューは不明。
  8. 高梁市の計画費用と財源は不明。
  9. 小規模自治体が複数の人口シナリオごとに歳入、歳出、基金残高まで公表し、実績も確認できる事例は、指定調査の範囲では見つからなかった。
  10. 2023年のパブリックコメント16人・86件が、市民全体の意向を代表するかは不明。
  11. 以上の未確認事項を、本文では確定事実として断定していない。
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