次回定例会までに、市外救急搬送の件数・搬送先別割合・実走時間と、物流の搬出先・所要時間・支障をまとめた「医療物流根拠票」を公表できるか、その初版を国・県への要望資料として継続更新できるか——追加委託費0円案と職員工数の扱いも含めて問える形にしてあります。
道路を、「建設の話」ではなく「病院へ着く時間と仕事を届ける条件」として問う
陸前高田・13の論点集 | 道路 公開版 2026年8月 / 石田 祐太(三陸ハピネス)
この資料の立場(必ずお読みください) この資料は、市民の一人である石田祐太が、市の公表資料と他自治体の公開資料だけを根拠に、個人として自主的に作成し、公開しているものです。
- 市議会議員のお名前は出していません。 ご本人に依頼も相談もしていないからです。
- 市民アンケートはまだ実施していません。ここに書いた「市民が求めていること」は、公表資料から私が読み取った予想にとどまります。
- 作成にあたり、議員・市議会・市役所からの依頼、監修、承認、推薦は受けていません。文責はすべて石田祐太にあります。
- 掲載順はテーマ順で、評価・順位・期待度を示すものではありません。
- この資料は、市政や議員活動の全体・実績・能力・賛否・担当分野を評価するものではありません。取り上げていないテーマに取り組まれていないという意味でもありません。
- 特定の候補者への投票、支持、反対、当選または落選を求めるものではありません。
- それでも、この中の一つでも議会での議論や日々の暮らしの参考になるものがあれば、自由に、断りなく、加工してお使いください。ただし自由にお使いいただけるのは、石田祐太が作成した文章・図表の部分だけです。引用元の資料については、各発行者の定めに従ってください。
- 誤りや権利上の問題にお気づきの際はご連絡ください。確認のうえ訂正または取り下げます。
0. 一枚要約
この資料が支えられる論点: 次回定例会までに、市外救急搬送の件数・搬送先別割合・実走時間と、物流の搬出先・所要時間・支障をまとめた「医療物流根拠票」を公表できるか、その初版を国・県への要望資料として継続更新できるか——追加委託費0円案と職員工数の扱いも含めて問える形にしてあります。
- 7,205人・41.3%:65歳以上は市民10人のうち4人。市外の医療へつながる道路は、一部の人だけの問題ではない。— 第3期こども・子育て支援事業計画(2024)
- 25分短縮:相馬市では、市外の高度医療機関までの算定時間が84分から59分となり、病院への道が約半時間近くなった。— 国土交通省事業評価資料(2022)
- 17分短縮:身延町・南部町では、119番受信から病院到着までの実測平均が89分から72分となり、約2割短くなった。— 国土交通省整備効果資料(2022)
- 提案:次回定例会までに、市外救急搬送の行先・実走時間と、物流の搬出先・所要時間・支障を一枚に整理する。
1. 市民はどこで困っているか(私の読み)
65歳以上7,205人、人口の41.3%という数字の後ろには、年齢を重ねても、必要な診察や治療へ時間内につながれるのかという毎日があります。市民意識調査では、回答者814人のうち、医療・福祉施策への否定的回答が47.4%でした。全市民の評価ではありませんが、回答した10人のうち約5人が否定的に答えた事実は、受診できる場所だけでなく、そこまでの時間も暮らしの問題として捉える必要性を示しています。— 第3期こども・子育て支援事業計画(2024)、市民意識調査(2022)
オンライン診療、診療所の開業支援、小児科の受診環境を求める意見の後ろには、「診てもらうための選択肢が足りない」という毎日があります。市は、一部医療機関でオンライン診療が行われている一方、機器整備と医療機関の協力が必要だと回答しています。市内で完結しない診療がある以上、市外の病院へつながる経路と時間も、医療環境の一部です。— まちづくり総合計画パブリックコメント結果(2023)
しかし、市の公表資料からは、直近年度に何件が市外へ救急搬送され、どの病院へ、実際に何分で到着したのかを確認できませんでした。物流についても、主な搬出先、迂回時間、荷傷み、輸送費の公開値は確認できませんでした。数字がない後ろには、市民が道路整備によって何が変わるのかを確かめられず、市も国・県へ同じ物差しで必要性を示せない状態があります。必要性を訴える声を、病院へ着く時間と仕事を届ける条件へ翻訳することが、最初に必要です。— 第3期こども・子育て支援事業計画(2024)、市民意識調査(2022)、まちづくり総合計画パブリックコメント結果(2023)
2. なぜ、いまこの問いなのか
第3期こども・子育て支援事業計画(2024)には、65歳以上7,205人、人口の41.3%という計画掲載値があります。この人口構成は、年齢を重ねても必要な診察や治療へつながる経路を考える基礎になります。公表資料には、医療環境に関する市民の評価や、オンライン診療、診療所の開業支援、小児科の受診環境を求める意見への市の回答もあります。一方、市外救急搬送の件数、搬送先別割合、実走時間、道路の通行支障は、公表資料からは確認できませんでした。物流についても、主な搬出先、所要時間、迂回時間、荷傷み、輸送費を確認できませんでした。これらを集める担当、データの取得先、初版の公表期限、国・県への要望時に更新する手順も確認できませんでした。医療へつながる必要性と、道路整備によって何が変わるかを同じ物差しで確かめる根拠票との間が空白です。まず、数字がある項目と未把握の項目を分けて示すことが論点になります。
3. 事実の壁
1. 高齢化と受診
65歳以上は7,205人、人口の41.3%です。市民10人のうち4人が65歳以上であり、医療へつながる道は一部の人だけの問題ではありません。 出典:第3期こども・子育て支援事業計画(2024)
2. 医療への市民評価
市民意識調査の回答者814人のうち、医療・福祉施策への否定的回答は47.4%でした。回答した10人のうち約5人です。ただし、全市民の評価を示す数字ではありません。 出典:市民意識調査(2022)
3. 市民が求めた受診環境
総合計画への意見では、医師不足へのオンライン診療、診療所の開業支援、小児科の受診環境が求められました。市は、一部医療機関でオンライン診療が行われていると回答しています。 出典:まちづくり総合計画パブリックコメント結果(2023)
4. 事業化要望に必要な数字の空白
公表資料では、市外救急搬送の件数、搬送先別割合、実走時間を確認できませんでした。物流の搬出先、迂回時間、荷傷み、輸送費も公開値を確認できませんでした。
この空白は、道路の必要性の有無を示すものではありません。必要性を国・県や市民へ、比較可能な数字で示せない状態を意味します。
4. 他自治体はもう動いている
1. 相馬市・相馬福島道路
- 施策名:東北中央自動車道・相馬福島道路
- 開始年:2011年に残区間を復興支援道路として一括事業化。2021年に全線開通。
- 成果:相馬市内から福島県立医科大学附属病院まで、算定時間が84分から59分へ25分短縮した。患者に影響する基準を超えた横揺れは、141回から8回へ減った。
- 費用・財源:全体事業費2,571億円。国直轄の復興支援道路。
- 出典:国土交通省事業評価資料(2022)、相馬市・開通までの歩み
- 陸前高田市との条件の違い:相馬市は人口規模と道路事業の延長が異なる。一方、市内に第三次救急医療機関がなく、市外への搬送を要する条件は共通する。
2. 身延町・南部町・中部横断自動車道
- 施策名:中部横断自動車道・富沢―六郷
- 開始年:1998年に施行命令。2021年に富沢―六郷間が全線開通。
- 成果:119番受信から病院到着までの実測平均が89分から72分へ17分、約2割短縮した。高速道路の利用率は30%から70%へ上がった。
- 費用・財源:28.3キロメートルの全体事業費3,222億円。国直轄高速方式。
- 出典:国土交通省・救急医療支援の整備効果、国土交通省開通効果資料(2022)、国土交通省事業評価(2025)
- 陸前高田市との条件の違い:震災復興事業ではなく、事業化から全線開通まで約23年を要した。一方、山間部から市町外の高度医療へつなぐ条件は近い。
相馬市の所要時間は交通速度データによる算定であり、救急車の実走比較ではありません。身延町・南部町の病院到着時間は実測平均です。この違いを明示して比較する必要があります。
5. 提案
- 1新たな外部委託をせず、既存資料の所在を洗う
- 2保有項目と未把握項目を一枚に整理する
- 3次回定例会までに公表する
- 4追加調査が要る場合は概算額と国・県制度を先に示す
費用と財源の書き方は、この下の本文にあります。
1. 何を
「国道343号新笹ノ田トンネル・医療物流根拠票」を作成します。
市外救急搬送については、件数、搬送先別割合、実走時間、道路の通行支障を載せます。物流については、搬出先、所要時間、輸送上の支障を載せます。
2. いつまでに
次回定例会までに初版を公表します。その後は、国及び県への要望活動に合わせて更新します。
3. 概算費用
最小の第一歩では、新たな外部委託を行いません。既存資料の所在、保有項目、未把握項目を、既存の職員体制で一枚に整理します。
追加委託費は計上しない案としますが、必要な職員工数は未積算です。
4. 財源候補
初版は既存予算の人件費の範囲で着手します。
追加調査が必要な場合は、調査前に概算額、一般財源の所要額、利用可能な国・県制度を示します。トンネル本体に使える国・県の正確な補助メニューは、公表資料では確認できませんでした。
5. 最小の第一歩
次回定例会までに、次の五項目だけを一枚にします。
- 数字がある項目
- 未把握の項目
- 取得先
- 担当
- 公表可否
数字がなくても、何が把握できていないかを公表すれば、次の要望活動までに解くべき宿題が固定されます。
6. 質問原稿の例(そのまま読めます)
市外の病院へ向かうとき、患者と家族が見ているのは道路の名称ではありません。診察や治療に間に合うかを左右する時間です。
本市では、65歳以上の方が7,205人、人口の41.3%です。市民10人のうち4人が65歳以上というまちであります。(第3期こども・子育て支援事業計画・2024年)
市民意識調査では、回答者814人のうち、医療・福祉施策への否定的回答が47.4%でした。回答した10人のうち約5人です。(市民意識調査・2022年)
これは全市民の評価ではありません。しかし、市外の医療へつながる時間を、受診環境と切り離してよい数字でもありません。
総合計画への意見では、オンライン診療、診療所の開業支援、小児科の受診環境が求められました。市内で完結しない診療がある以上、市外へつながる道路も医療環境の一部です。
市外へ荷物を出す事業者にとっても、道路は納期と品質を左右する条件です。目的は、トンネルを造ることだけではありません。市外の医療へつながる時間と、地域の仕事を外へ届ける条件を整えることです。
私は令和6年第4回定例会で、「国道343号新笹ノ田トンネルの早期事業化について」と通告しました。
今回は、その要望を一歩進めます。必要性を訴えるだけでなく、事業化を求める根拠を、医療と物流の生活データにして示す質問です。
指定された市の公開資料では、市外への救急搬送件数を確認できませんでした。搬送先別の割合と、実際の所要時間も確認できませんでした。
物流についても、主な搬出先、迂回時間、荷傷み、輸送費の公開値は確認できませんでした。不明な数字を、あるようには申し上げません。
この不明は、道路が必要とも不要とも証明しません。市の要望を、他地域と同じ物差しで比較できない状態を示しています。
他の地域では、道路整備の結果を生活の数字で示しています。
相馬市では、相馬福島道路が2011年に復興支援道路として事業化され、2021年に全線開通しました。
相馬市内から福島県立医科大学附属病院までの算定時間は、84分から59分へ短縮しました。25分の短縮です。
患者に影響する基準を超えた横揺れも、141回から8回へ減っています。全体事業費は2,571億円で、国直轄事業です。(国土交通省事業評価資料・2022年)
身延町・南部町を通る中部横断自動車道では、119番受信から病院到着までの実測平均が89分から72分へ短縮しました。17分、約2割の短縮です。
高速道路の利用率も30%から70%へ上がりました。富沢から六郷までの28.3キロメートルの事業費は3,222億円です。国直轄高速方式です。(国土交通省整備効果資料・2022年、事業評価資料・2025年)
この二例を、そのまま本市へ当てはめることはできません。道路の規模、制度、搬送先、地形が違います。
相馬市の25分は交通速度データによる算定で、救急車の実走比較ではありません。一方、身延町・南部町の17分は実測平均です。
条件が違うからこそ、本市自身の数字が必要です。
そこで、「国道343号新笹ノ田トンネル・医療物流根拠票」の作成を提案します。
直近年度の市外救急搬送件数、搬送先別割合、実走時間を記載してください。道路の通行支障も記載してください。
物流については、搬出先、所要時間、輸送上の支障を関係事業者から確認してください。個人や事業者を特定しない集計とし、要望活動のたびに同じ指標で更新します。
最小の第一歩は、外部委託ではありません。関係部署と関係機関が持つ項目を一枚に整理することです。
数字がある項目は数字を載せます。ない項目は「未把握」と載せ、取得先、担当、取得時期、公表可否を決めます。
追加委託費を計上しない案とし、既存の職員体制で着手します。職員工数は未積算です。
第一に、次回定例会までに、この根拠票の初版を公表いただけるか伺います。できないとすれば何が障害か、法令、個人情報、技術、職員体制の別に示してください。
第二に、次に国及び県へ事業化を要望する際、この根拠票を添付いただけるか伺います。添付できない場合は、代わりに何を根拠とし、いつまでに作成するのかを示してください。
第三に、物流の公開値がない場合、次回定例会までに聞き取り項目、対象、実施時期を決めていただけるか伺います。できないとすれば何が障害か、具体的に示してください。
第四に、新たな予算が必要な場合は、次回定例会までに概算額、一般財源の所要額、利用可能な国・県制度、調査範囲を示していただけるか伺います。
道路の事業化を、市だけで決められないことは承知しています。しかし、市が何を根拠として国・県へ示すかは決められます。
まず、数字のある項目と未把握の項目を一枚にし、初版を次回定例会までに公表する。その方針で進めると理解してよろしいですね。
この質問で変えたいのは、道路資料の体裁ではありません。
市外の病院へ向かう患者と家族が見つめる時間を、行政が測り、短縮の必要性を示せる状態にすることです。地域の仕事を市外へ届ける人が抱える支障を、要望の根拠として残すことです。
道路を求める声を、誰かの毎日に届く数字へ変える。その最初の一枚を、次回定例会までに公表するのか。明確な答弁を求めます。
7. 答弁シミュレーション
1. 「検討します」
- 再質問:検討の対象を、根拠票の作成、公表、要望資料への添付に分けてください。それぞれの担当と期限を答弁してください。
- 二本勝ち筋:期限を答えれば約束が議事録に残る。答えなければ、未決定の項目と決定者が次の質問対象になる。
- 確定復唱:次回定例会までに、根拠票の初版を公表していただけると理解してよろしいですね。
2. 「把握していません」
- 再質問:未把握であることを根拠票に明記してください。取得先、担当、取得時期まで決めてください。
- 二本勝ち筋:把握済みなら数字が議事録に残る。未把握なら、調査項目と期限が行政の宿題になる。
- 確定復唱:次回定例会までに、未把握項目と取得方法を公表していただけると理解してよろしいですね。
3. 「国・県の動向を注視します」
- 再質問:国・県が判断するために、本市が提出する根拠を確認しています。次の要望時に、搬送先、実走時間、物流条件を添付するか、明確に答弁してください。
- 二本勝ち筋:添付すると答えれば要望内容が変わる。添付しないなら、代替資料と作成期限を答える必要が生じる。
- 確定復唱:次回の国・県への要望までに、医療物流根拠票を提出していただけると理解してよろしいですね。
4. 「財源が限られています」
- 再質問:最小の第一歩は、外部委託ではなく既存資料の所在確認です。それも実施できない場合、必要な職員工数と追加経費を示してください。
- 二本勝ち筋:既存体制で行えば着手が決まる。追加費用が必要なら、概算額と財源が次の予算判断の材料になる。
- 確定復唱:次回定例会までに、既存資料の所在と未把握項目を整理していただけると理解してよろしいですね。
5. 「本市は事情が異なります」
- 再質問:異なる事情を、人口、搬送先、所要時間、地形、物流の項目に分けて示してください。その違いが、調査しない理由になるのかも答弁してください。
- 二本勝ち筋:比較可能なら先行事例の指標を採用できる。比較困難なら、本市固有の指標を決める必要が生じる。
- 確定復唱:次回定例会までに、先行事例との条件比較表を公表していただけると理解してよろしいですね。
8. この資料の使い道(続き物の設計)
答弁で示された数字、未把握項目、担当、期限を、一つの進捗表に固定します。
次の定例会では、根拠票が公表されたか、国・県への要望に添付されたかを確認します。
数字が出れば、搬送先、実走時間、物流条件の変化を追います。数字が出なければ、答弁で約束した取得方法と期限の履行を問います。
道路が事業化されるかどうかだけを一度尋ねて終わるのではありません。「何を根拠に要望したか」「不足する数字をいつ取得するか」「前回から何が変わったか」を、同じ指標で確認します。
この質問を、事業化まで更新を続ける定点観測にします。
9. 出典一覧・確認できなかったこと
出典一覧
- 第3期陸前高田市こども・子育て支援事業計画(2024)
- 陸前高田市市民意識調査(2022)
- まちづくり総合計画パブリックコメント結果(2023)
- 国土交通省・相馬福島道路事業評価資料(2022)
- 相馬市・相馬福島道路開通までの歩み(2021)
- 国土交通省・中部横断自動車道の救急医療支援効果
- 国土交通省・中部横断自動車道開通効果資料(2022)
- 国土交通省・中部横断自動車道事業評価資料(2025)
確認できなかったこと
- 陸前高田市から市外への直近年度の救急搬送件数、搬送先別割合、実走時間
- 国道343号での救急搬送時の揺れ、通行支障、迂回実績
- 市内事業者の主な搬出先、輸送量、所要時間、荷傷み、輸送費
- 新笹ノ田トンネルの概算事業費、市負担の有無、正確な国・県の財源メニュー
- 根拠票作成に必要な職員工数
- 先行事例の道路整備が通院者数や物流費へ与えた因果的な効果
- 相馬市の時間短縮は算定値であり、救急車の実走比較ではない
- 東北の人口4万人以下、2020年以降開通、かつ救急車の実走記録で短縮時間を比較した事例
- 物流量・輸送費の実績値が道路事業の採択を決定づけたと公文書で確認できる事例
- 先行調査で使用禁止とされた身延町議会のURLは、出典に使用していない
- 未確認事項は、本文で現在の実績として断定していない